内容説明
1931年9月18日、奉天郊外の柳条湖で南満州鉄道の線路が爆破された。この事件を契機に、大陸での勢力拡大を目論む関東軍は満州(現・中国東北部)全土を占領する。膨大な史料の精緻な読みをとおして、第一次山東出兵、張作霖爆殺事件から、関東軍の暴走、満州国建国、国際連盟脱退まで、当時の状況を詳細に再現、近現代史の問題点を抉剔する。(講談社学術文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
タコ太郎
3
中国の地方の名称や昭和初期の軍政・軍令の組織関係について、ある程度知識があることを前提に書かれており、全くの初心者だった僕には骨がバキッ。随分と時間を要した。 本書では、個々人の思想が歴史的事象に大きく影響している点や、昭和初期における「統帥権」がどのように実践されていたかを垣間見れた。 これまで行政組織の構図を意識したことがなかったけど、何らかの狙いがあって構築されている以上、如何なる理由で当該構図が形成されたのかを理解することも重要なんだな〜 政党の構図を知ることも政治理解には欠かせないし…2017/11/27
Yasuhisa Ogura
2
満州事変の前史から満州国成立までを、日本の国内政治と軍部、中国の政治状況、国際連盟などの国際的側面を絡ませながら描いている。多くの公文書に基づいて、関東軍の独断行動に参謀本部や内閣が引きずられていく様子が明らかにされている。特に、参謀本部は関東軍の独断行動を懸念し、あらかじめ天皇の統帥権を参謀総長に委任する措置をとっておきながら、それでも関東軍をコントロールできなかったのは衝撃的でさえある。さらに問題なのは、関東軍は国際的側面とは切り離されており、国際的影響について考慮していないのである。2024/12/31
勝浩1958
2
関東軍の蛮行が詳しく書かれているが、それにしてもこの当時の中国国内の情勢はとても複雑で分かりにくい。権力闘争に明け暮れていたのであろうか。2010/10/30
T F
1
組織が大きくなるほど、指揮命令を徹底することは難しい。人事上の措置を正しくすることは必要だろう。2020/09/19
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