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内容説明
本の良し悪しは、読まなくても分かる。なぜなら「いい本」には、オビから奥付まで随所に工夫が凝らされているから――。「1頁が存在しないのはなぜか」「目次と索引こそ技量が問われる」「余白の意味」「明朝体の美しさ」「本文紙は白ではない」など、数々の名著を手がけた編集歴四十余年のベテランが、本づくりについて縦横に語る。“電子書籍元年”と言われる今こそ伝えたい、昔ながらの「紙の本」の知られざる魅力!
目次
1 本とはモノである(作りの良し悪しを見分けよう;一次元の原稿を三次元に)
2 編集の魂は細部に宿る(すべては判型から出発する;頁はどこから始まるの?;目次と索引は技量が問われる;校正、畏るべし)
3 活字は今も生きている(グーテンベルクに感謝;明朝体は美しい;欧文書体はファミリーに分かれる;約物と罫線を使いこなせ)
4 見える装幀・見えない装幀(紙には寸法も色も重さもある;函入りかジャケットか;表紙は最後まで残るもの)
5 思い出の本から(昭和は文学全集の時代であった;十二冊プラス幻の一冊)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
334
本の各部名称や本作りの流れなどを知らない人でも分かりやすく解説してくれた本なのだが、いかんせん文章の端々から「お前らはこんなこと知らないし、気にしたことないだろ? おれは知ってるぜ?」という上から目線感がにじみ出てくるので、人によってはそこら辺に不快感を抱くかもしれない。また、実際の本作りの流れは著者の経験したものであり、若干古臭いところもあるし、出版社ごとに言葉の使い分けがまったくことなるので、あまり内容をうのみにするのもいかがなものかとは思った。2017/03/12
おいしゃん
24
編集、校正、デザイン、など本を作るにしても細分化されているせいか、この一冊で本作りのイメージをするには難しいが、こだわるポイントがたくさんあることはよくわかった。2021/03/06
遅筆堂
22
あまり新たな情報は得られない。この本を読むのであれば、紙の書籍や編集に興味のある方であろうから、もう少しマニアックに作った方が良いのでは。新潮新書の字組では、その辺の充足は得られない。実際の編集作業の部分やそのやりとりももう少し書いてもらいたいなあ。図や写真もあった方がいい。ちなみに、私は文庫本も単行本もスピンは要らない。あれ、嫌いだ。手の甲に掛かったり、地の下の方にちょろっと出たり、ページの中に折り込んだのにそれが下に出てきたり、もうストレスの元凶。紙のしおりや文庫本カバーのしおり紐で充分なんだよなあ。2012/09/23
佐島楓
19
不勉強なので、装丁などの専門的なことはほとんど知らなかった。深く反省。校正のところは、テキストデータ上で処理するとは言え誤解がないようかなり神経質に行うものなので、これからも参考にするつもり。読み物としても本に対する深い愛情が伝わってきた。2011/07/26
calaf
15
装幀とか装丁とか装釘というのは実は誤用で、正しくは装訂なのか...それにしても、一冊の本が出来るまでにはいろいろあるなぁ...自分としては、初めてTeXを使って書いて印刷した時には、本当の本が印刷されたようでビックリしたことを覚えていますが、それ以上に本はモノなのでいろいろあるようです。2014/01/31