内容説明
人はなぜ迷い、悩むのか。苦しみは自分の感覚器官が生み出す欲望に執着することで起こる。万物が流転する世間では、すべてが互いにつながりをもち、支え、対立し、そして助けあって存在している。そこに「私のもの」など何もない――。仏教の基本教理を表す12のことばを通して、無限の広がりを持つ釈尊の教えを平易に説く、現代人必読の仏教入門。(講談社学術文庫)
目次
はじめに 三法印──存在の三つの命題
第一講 諸行無常──世間は流転している
第二講 衆縁和合──永遠不滅のものはない
第三講 無明即煩悩主──迷いのもとは無明
第四講 諸法皆空──世間は夢のごとし
第五講 不二法門──解脱は一味である
第六講 三界唯一心──世間は妄想の産物
第七講 身不浄観──身体は汚物の詰め物
第八講 悉有仏性──仏も昔は凡夫なり
第九講 煩悩即菩提──垢も身のうち
第十講 中道──薬もすぎれば毒となる
第十一講 四摂法──情けは人の為ならず
第十二講 南無帰依仏──仏にゆだねる
あとがき
仏典紹介