内容説明
応仁の乱後、“土佐七雄”の一豪族として国内で勢力を伸ばした父・国親の業績を土台として四国の覇者となった長宗我部元親。豪傑が割拠する中で、なぜ四国を統一できたのか―。四国統一戦における元親の戦略・戦術をはじめ、室町幕府とのつながりを求めた婚姻政策、織田信長、明智光秀との外交関係、一領具足の強化・「長宗我部氏掟書」の制定等の領土経営や、仏教・儒学・和歌・茶道等の文化面の業績など、多角度から元親の人物像とその人間的魅力を解き明かす。他書には例を見ない、充実した長宗我部氏の家臣団人名事典・史跡事典・合戦事典や長宗我部氏系図、元親年譜も収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆうへい
2
長宗我部元親を詳しく分析しています。小説ではなく学術書みたいな感じでした。読んでいて明智光秀や斎藤利三、春日局とは見えない糸で繋がっていたのが意外でした。戦乱の中での文化的教養を身に付けていたり、京都とのパイプを結んでいたのが窺えます。また一領具足の意味や長宗我部家の成り立ちや構成が描かれています。後半には長宗我部家に仕えた家臣団や元親ゆかりの史跡と合戦が詳しく事典として綴られています。さらに、元親にまつわるコラムも分かりやすくまとめられています。やはりこういったのよりも小説の方が読みたくなります。2020/06/12
ハシヒロ
1
新人物往来社のすべてシリーズの一冊、「長宗我部元親のすべて」を文庫化。家臣団辞典や史跡事典はかなり詳細な事柄が書かれているの。香宗我部さんの子孫の香宗我部語りはいらん。2015/06/07
笛吹岬
0
失礼ながら、この出版社の「すべてシリーズ」は玉石混淆の文集であるが、本書のように文庫に入れられると手が伸びやすくなる。表紙は興ざめだが致し方あるまい。2010/05/29
左京大夫
0
新人物往来社の本にいちいち文句言うのもバカバカしいですが、本書もいつものごとく酷いものでした。山本さんの書く文章はともかく、ほかの人が書いたものは読むに堪えません。自称郷土史家レベルの人の悪いところが遺憾なく発揮されています。人名を仮名、官途名、実名をいちいちダラダラ並べてみたり、実名表記と仮名表記などが混在したり、わかりにくいことこの上ない。読者本位の文章ではなく、「俺は知ってるんだぞ」という態度が滲み出た自己本位の文章と言わざるをえない内容でした。大学入ったばかりの子たちだって怒られるレベルですよ。2021/11/17