内容説明
20世紀を代表する美術家であるアンディ・ウォーホル(1928-1987)は、生前における多方面にわたる活躍やメディアへの頻繁な露出から、これまで様々な流言飛語に曇らされ、毀誉褒貶に包まれていた。「孤独なトリックスター」の実像とは――。本書は、日本での大規模なウォーホル回顧展にも関わった美術史家が、ウォーホル芸術の意味と本質に迫り、それを広く美術史の中に位置づけた画期的論考である。
目次
第1章 キャンベル・スープ―ウォーホルの原点
第2章 スターの本質―聖と俗の肖像
第3章 名もなき死―現代への予言と警告
第4章 公権力への恐怖―アメリカの暗部
第5章 名声と死の影―『ジャッキー』・『花』・『自画像』
第6章 ウォーホル芸術の終焉―『毛沢東』から『最後の晩餐』へ
終章 ウォーホルの聖性