パウロ・フレイレ「被抑圧者の教育学」を読む

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パウロ・フレイレ「被抑圧者の教育学」を読む

  • 著者名:里見実【著】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 太郎次郎社エディタス(2014/11発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784811807362

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内容説明

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「現代の古典」ともいわれ、世界中で読み継がれている教育思想と実践の書『被抑圧者の教育学』。ブラジルの教育思想家パウロ・フレイレの思想と方法は、死後、ますますその重要性が明瞭になってきている。人間を「非人間化」していく被抑圧状況の下で、人間が人間になっていく可能性を追求したフレイレの主著を、10のテーマから読み解く。オリジナル・テキストからの訳とともに。

目次

序章 パウロ・フレイレとラテンアメリカの民衆文化運動第1章を読む1 人間化と非人間化   フレイレの「難解さ」   価値の二項対立   人間化と非人間化2 被抑圧者による解放   元司教、パラグアイの大統領に   解放の神学とキリスト教基礎共同体   貧しき者への択び   征服と同化3 人間であるということ   人間という存在   人と、モノの所有   人格の完成第2章を読む4 預金型教育をめぐって   伝達か対話か   預金型教育は文化侵略のパラダイムである   預金型と銀行型5 死んだ時間と生きた時間   時間の節約   時間貯蓄銀行   世界と、この世界のなかの私   生きた時間第3章を読む6 世界を読む──フレイレにおける識字   絵を読む   意識化のためのコード表示   「隔たり」のなかの可能性   言葉を採集し、学習プログラムをつくる7 参加型調査とは何か   「生成テーマの調査サークル」から参加型調査へ   参加型調査と人類学的な文化研究   参加型調査とPRA   民衆知とエスノ・サイエンス   ともに世界にはたらきかける8 対話の諸条件   フレイレの「愛」の思想   謙譲と信頼第4章を読む9 フレイレの革命論   ペダゴジカルな過程としての革命   教育者と革命家10 フレイレの遺産の受容   新しい社会と新しい人間   キューバ革命とラテンアメリカの現在   批判の言語と可能性の言語   北米でのフレイレの受容補章 『被抑圧者の教育学』序文について…座談 〈伝えあい〉の文化を創りだすために文化総合──大沢敏郎さんへあとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

isao_key

10
『被抑圧者の教育学』はタイ語にも訳されている。本書は難解な原書から各章のエッセンスを抽出してまとめ解説している。特に有名な預金型教育について「被教育者に受動性を押しつけることを安易につづけていけば、生徒たちは世界を変えるのではなく、それに適応する行動習性を身につけて、頭にすり込まれた現実の断片に自分の間尺をあわせていくことになるだろう」と訳す。この部分の解説で、暗記して学んだ知識は試験でしか使えず、試験に合格さえしたらその知識は無用となる。学校で学ぶとはそういうこなのだと教えることだと強烈に批判している。2017/05/18

Go Extreme

2
銀行型教育 問題提起型教育 抑圧と非人間化 主観と客観の弁証法的合一 世界を命名 被抑圧者の解放 未然可能性 反対話的行動 対話的行動 文化的侵略 大衆操作 自由は勝利により獲得される 人間化 非人間化 抑圧者の非人間化 生成的文言 文化圏 知識の預金 批判的意識 抑圧のメカニズムの暴露 権力構造の永続化 受動的容器 主体性の回復 現実の変革 文化的文脈の組織化 動物と人間の違い 現実への適応からの脱却 搾取構造 民衆のエンパワーメント 抑圧状況の認識 征服 抑圧の維持 分割と分断 人間の本質的特性2025/11/21

slowpass

1
ただのフレイレの解説本と思われるかもしれないが、思想家としての里見実氏と『被抑圧者の教育学』を含めたフレイレの諸著作の対話であると思う。相当に中身の濃い一冊。自分に大きく影響を与えた本だったので、著者に感謝の手紙を書いた。残念ながら体調を崩されていたのでご本人はもう返事ができる状態ではなかったそうだが、ご伴侶の方が代わりにお返事をくれた。里見氏からもらったものを自分も誰かに届けられたらと思う。

Seita

1
ブラジル政府がほとんど成果を上げられなかった識字教育で、フレイレのそれは45日でマスターに導いたという。まず、女性が農作業しているといった当地に身近な絵が提示される。次に、「何が見えるか」「なぜそんなに働かねばならないのか」「この状況解決に何ができるか」といった段階的な質問に導かれ、皆で議論を重ねる。このように共通の問題を示すことを「コード表示」といい、ここで問題が「意識化」される。このとき、キーワードが注目され、その音節がフラッシュカードに記される。参加者は音節配置を変えながら新しい言葉を発見していく。2018/01/13

Tomoko

0
確かに私も階層闘争の路線へと走ろうとしていたことに気づかされた。 抑圧者から解放されたとしても、自らが抑圧者になってしまっては仕方がない。 民衆と共に戦うことがいかに難しく尊いことか。 上を目指すんじゃなくて、同じ目線で戦っていけるだけの力をつけたい。2013/04/09

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