内容説明
三島自決の真実に迫る兵士シリーズ最終巻。
1970年11月25日――自衛隊の本拠・市ヶ谷駐屯地で壮絶な最期を遂げるまで、作家・三島由紀夫は毎年のように自衛隊に体験入隊を繰り返していた。<これほどお互ひに敬意と揶揄を忘れぬ、思ひやりにみちた人間集団に、私はかつて属したことがない。>初めての体験入隊後、そう自衛隊を評した三島は、苛酷な訓練にも真摯に臨み、現場の「兵士」=自衛隊員たちとも濃密な交流を重ね、時に「クーデター」への思いも口にしていたという。
そして運命の日、三島は「自衛隊は永遠にアメリカの傭兵として終るだろう」と自衛隊、日本人に告げ、割腹自殺を遂げた。あれから40年――「日米の防衛協力は日米同盟という言葉にとって代わり、いつのまにか『世界の中の日米同盟』に際限なく拡大してしまっている」(本文より)。具現化する三島の“予言”。
三島にとって自衛隊とは何だったのか。そして、長年に渡って封印されてきた「三島自決」までの知られざる道程とは――。
目次
第1章 忍(黙契 走る人 懸垂 水兵渡り 救出 美学)
第2章 剣(段級審査 手合わせ 服装点検 同期の二人 メダリスト)
第3章 絆(告白 継続監 自立の宴 最後の会話 運命)
最終章 手紙
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
モモのすけ
17
なぜ三島由紀夫はこれほど自衛隊にこだわったのか?「あの日、三島が市ヶ谷台のバルコニーから叫んだ、『魂の死んだ巨大な武器庫になつて、どこへ行かうとするのか』という、命にかえての問いは、しかし自衛隊にだけ向けられていたものではなかったはずである」2013/05/06
mochizo
4
なぜ三島由紀夫があれほど自衛隊に拘ったのかが理解できます。そしてあの自決の文章の予言が今現実の事になっている事も。2015/02/04
tecchan
3
長年にわたり自衛隊を取材し「兵士に聞け」等の作品に著してきた著者が、こうしたテーマを取り上げる原点となったのが三島由紀夫自決事件。自決までの数年間、三島由紀夫は何回となく自衛隊に体験入隊して厳しい訓練を受けている。この作品は、当時の自衛隊関係者から取材して三島由紀夫の今まで語られなかった一面を描いており興味深く読むことが出来た。2018/06/12
悸村成一
1
アナクロか。憲法改悪反対。国事行為を委任しません。スパイ衛星で覗いて「謝ってくれ」と騒ぐ男がいて大迷惑。この本の著者とは面識無し、一切何も関係が無い。本を破いてゴミ袋へ捨てた。1842018/11/05
tkm66
1
考えてみれば<戦後日本における”軍”と云う存在>の専門家が三島由紀夫について考察するのは当然の帰結かと。労作。2015/05/13
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