内容説明
児童相談所に勤め、温かい家庭を持つ主人公、澤村。父として家族の柱となり、児童福祉司として他の家庭を救うなか、突如事件は訪れた――。妻の声も子どもの声も、もう心には届かない。正しく生きてきたやさしい男の人生は、ひとつのできごとに殺された。果たして最後に彼を救うのは、叫びか、ささやきか、誰の声なのか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
164
ページ数の割りになかなか重たく、ヘヴィな作品でした。普通の温かい家庭に恵まれ、児童福祉司を務める主人公にひたひた忍び寄る‘疲労’が招いた思わぬ出来事により、事態は意外な展開に。テーマは児童虐待と精神疲労ですが、読んでいてなかなか胸が苦しくなりました。しかし、作者さんがテーマを両方にしたかったのか、どちらかに重きをおきたかったのか、バランスが少し微妙な印象です。個人的には精神疲労が導く、鬱の描写がある意味ホラーなインパクトで、その流れは哀しささえ感じました。改めて児童福祉司さんにココロから敬意を表します。2015/09/21
パフちゃん@かのん変更
61
初読みの作家さん。虐げられる子供は増えているようだ。児童相談所も養護施設も人手不足や資金不足でいっぱいいっぱいの現状だと思う。貧しいことは決定的な悪ではない。病的な親の方が問題だ。真面目で誠実な澤村はうつ病になり・・・とあるが、これは鬱というより統合失調症?はっきりした幻聴が聞こえ、幻聴により自殺させられそうになる。危ないところだった。ストレス耐性の低い人には向かない職場だと思う。なまじ、順風満帆に育ってきた人だけに、難しいと思う。都会の私立信仰も大変だな。ますます広がる格差。2016/12/19
アメフトファン
38
うつ病の恐ろしさを描いた作品。うつ病が辛く恐ろしい病気であることは伝わりましたが、肝心のストーリーは良く理解が出来ずに終わりました。家族が大事であることは良くわかりましたが..2015/09/19
おれんじぺこ♪(17年生)
38
児童相談所ではたらく「とうさん」がとある事件から鬱になってしまう。療養後に養護施設で働くのだが、聞こえないはずの声が聞こえて…。以前読んだ、「おれのおばさん」シリーズのような物語を期待しちゃってただけに辛かった。「とうさん」全然大丈夫じゃなさそうなおわりかただった。しかも、今の私にタイミング悪い内容だったなぁ…。2014/05/20
takaC
31
全然大丈夫じゃないじゃん、とうさん!2012/02/08
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