内容説明
日本人から信心が失われて久しい。それでもお寺は、「葬式仏教」を頼みに、かろうじて生き延びてきた。しかし、法外なお布施や戒名料ばかりを要求する一部住職に、檀家さんの我慢は限界寸前。結果、仏教に頼らない葬儀が急増、さらに過疎化や後継者難の影響もあって、地方の末寺は崩壊の危機に……。自業自得の日本仏教に、再生の道はあるのか。お坊さんが黙して語らない、それでも知っておきたい、現代のお寺事情。
目次
第1章 菩提寺は変えられる(菩提寺は突然やってくる;菩提寺のはじまり ほか)
第2章 お寺が危ない(お寺も諸行無常;本山も隠す空き寺 ほか)
第3章 お寺はなぜ消えていくのか(あなたは宗教を信じますか;お寺からなくなったもの、残されたもの ほか)
第4章 お葬式はどうして仏教なのか(お葬式をしないお寺;釈迦仏教はお葬式とは関係がない ほか)
第5章 お寺に未来はあるか(仏教界に欠ける危機意識;お寺から斎場へ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月讀命
54
私の家の菩提寺は東京都内にあり江戸時代より続いている檀家である。両親が他界し、その後お坊さんとの付き合いが大変だ。毎年の施餓鬼や十夜の法要、盆、暮れ、彼岸の供養、年忌の法要、お寺の改築修繕の寄付など経済的出費は否めない。仏教が葬式仏教になり、僧侶が守銭奴になってしまった経緯がよくわかった。(一般論であり、うちの菩提寺のことではありません。)反面、現在の「寺」が置かれている困難な状況も知ることができる。・・・・・街は時代とともに変わっても、お寺の境内や墓地は、子供の時から変わらない風景がそこにある。2012/06/10
calaf
16
仏教(寺)の歴史、葬式との関係の歴史、宗(派)の話など、分かりやすく書かれていて面白かったです。私自身は、この著者ほど仏教に思い入れはないので、どうでも良いかも...という感じですが。。。どうなんでしょうねぇ...2014/08/23
コーデ21
15
「いまや崩壊の危機にある日本仏教に再生の道はあるのか。お坊さんが黙して語らない、それでも知っておきたい現代のお寺事情」 たいへん興味深く読みました。10年程前、親の葬儀のさいに始めて葬儀や墓地の実態に直接向き合うこととなった我が家。お布施や法要の読経の算段に汲汲としているお坊さんの姿にはいささか鼻白んだ覚えがあります。旧態依然とした「葬式仏教」は、もはや風前の灯火というのはむべなるかな。現代社会に則したお寺経営の数々の問題点が分かりやすく書かれており勉強になりました。 2021/04/15
ロッキーのパパ
14
仏教の制度のとしての「寺」が置かれている困難な状況を知ることができた。お寺側の事情は分かったけど、では我々はどうすべきかについては書かれていなかったことが残念。2011/01/19
Shinsuke Kume
5
ゴシップ本に近いかと思いきや、なぜここまで寺が日本各地に出来たのか、歴史的政治背景から紐解く良書。 また、【寺】を【会社】や【○○】と日常の何かに当てはめると、全てに当てはまる。2012/10/06
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