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内容説明
日本人は千数百年前から、外国の書物や言葉を日本語に翻訳して取り込んできましたが、それは外国の文明を素早く消化して広めるためには大変有効でした。半面、翻訳によって異文化との直接の接触が薄くなるため、外国文化を異質なものとしてそのまま理解する機会は失われてしまいました。著者はこのように何でも翻訳する発想の転換を提案します。私たちは今、外国文化を異質なものと改めて理解して、同時に日本文化のユニークさを再発見し、そうしたことを通じて日本を発信していかなければならない、というのです。著者は「英語を第二の公用語にするくらいのことを考えてもいい」と述べ、グローバル時代に必要な発想を説いています。
目次
第1章 十年勉強しても英語が出来ない
第2章 和漢折衷・和洋折衷
第3章 極めてユニークな国・日本
第4章 グローバリゼーションと日本
第5章 受容能力と発信能力
第6章 二一世紀はアジアの世紀
第7章 第三の開国
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kubottar
14
私は中学の英語の授業中、和訳でウケを狙おうとして面白い意訳で答えた所、先生にこっぴどく叱られ英語が嫌いになった。そもそもなぜ英語を日本語に無理矢理読まなければならないのか?英語をいちいち自国語に訳して会話が出来るのか?この本を読んで色々と腑に落ちた部分が多かった。特に、日本人が学んでいるのは英語ではなく『翻訳英語』だという指摘は納得のいくものだった。結局のところ英語を日本語で理解しようとしてるから話せない。英語は英語そのものを理解しようとしなければならない。2014/12/07
間違いちゃん
1
日本文化の特異性を和洋折衷・和漢折衷という点から論じている。すなわち、日本は中国・西洋の優れた文化を「翻訳」という形で吸収し、それを次第に日本的なものへと変化させていったということだ。この翻訳文化こそが日本文化の発信能力を遅らせている原因だとしている。2012/11/08
ふみすむ
1
【まとめ】我々日本人は無自覚だが日本は世界でも極めてユニークな国である。大陸から漢字も仏教も吸収し、さらに明治維新には西欧の文化を驚異的なスピードで吸収した。そういう点で日本は文化を“受容”する力は素晴らしい。しかし、英語が話せないことは自国の文化が“発信”できないことを意味する。先進国最低の英語力を見直さなければいつまでも発信できない。英語を学んで、わが国のユニークな文化を“発信”すべきだ。2011/06/08
Humbaba
1
日本は昔から平和な国であった.内部では戦いがあったとしても,それらはあくまでも国内での問題であり,外国からの被害は非常に少なかった.それは,日本の周りにある海と日本をとずれる台風のおかげであった.sぃかし,それは日本が国際化できないという弊害をも引き起こしてしまう.2010/07/27
伊室茨
1
確かに日本人は他の国では全く見られないごくまれな歴史を歩んでいます。しかし、そのことのおかげで日本の語学教育は変化を求められています。まず私達がするべきことはまずは今の『翻訳的授業』から『外国語での授業』に転換するべきなのです。しかし今すぐには出来ないので政府や文部省を主体に日本全体でやっていきたいところですね。ちなみに私達が普段から使っている日本語は明治維新以降にできた翻訳語がほとんどということには正直驚かされました!!(確かにな)私もこれからのために最低限は英語だけでも何とかしておきたいですね。2010/06/24