ハヤカワ・ミステリ文庫<br> 重賞

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ハヤカワ・ミステリ文庫
重賞

  • ISBN:9784150707033

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内容説明

〔競馬シリーズ〕スコットの胸は、自分の迂闊さを悔やむ苦い想いでいっぱいだった。巨額の金を横領し続けていたという、調教師ジョディの背信が発覚するに及んで解雇をいい渡したところ、彼は復讐鬼と化した! スコットの愛馬を他の駄馬と掏り替えるという悪辣な手段を講じてきたのだ。そこに潜む黒い罠とは?/掲出の書影は底本のものです

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

RED FOX

20
競馬が分からない私でもドキドキします。詐欺をくらった馬主の復讐劇がなぜかワクワクして面白い。イギリスとフロリダの極端な気候も面白い。キーウエストのドライブシーンも憧れます♪シリーズ30作以上あるようなので楽しい宝の山が見つかって余生も安心。2019/02/01

bapaksejahtera

11
シリーズ初作から手を抜いた様な駄作と思える物がない。訳者も安定して信頼が置ける。作品の主人公は競馬に関係する様々な人間であり騎手と限らないのが良い。本作では元々馬の顔も判らぬ金持ちの馬主であり、異例とは言える。その馬主に対して悪役の一人である調教師が、通常慣行と言われても仕方がない過剰請求による掠取り行為は愚か、ブックメーカーと組んだ不正行為を大々的に行ったことを指摘されて解雇される所から筋書はスタート。その上で悪漢は悪辣な仕返しに及び、主人公は巧みに反撃する。やや都合の良い進め方ではあるが可という所だ。2022/01/14

たこやき

9
出資はするけど、馬については素人の馬主。そんな馬主に、プロである調教師が背信行為を働いていたら……? テーマは面白いし、調教師に解雇を言い渡すことで、周囲はスコットを嘲笑う。そういうディテールは非常に興味深く読めた。ただし、馬のすり替えという行為に走ることにどうしても無理を感じてしまう。これは、生態認証技術などが発達した現在の感覚で読むから、だろうか? 再すり替えの準備とか、楽しくは読めたけど、引っかかる部分もあり。2013/04/07

NICK6

7
かなり久しぶりにフランシス。面白い。冒頭から不穏な対決演出で、即、没入モード。敵役&悪行が進行し、しかも、世評は逆、男の立ち位置が急降下。読者としては敵役に激怒し憎悪する。でも、ここが凄い所で、主人公は徹底して冷静。確かに怒りうんざりするのだが決して興奮しない。さらっと冷静に対策思案、コツコツ準備して対決モードに突入する。私(読者)との、この落差演出がいつも最高なのだ。換言すると主人公は実にかっこよい。コンゲームと美しい女性への粋な口説きも又実に渋い。この時期、停滞期を指摘する評論目にするが全然感じない 2023/04/28

bookkeeper

5
★★★☆☆ 信頼していた競馬の調教師から悪質な横領・詐欺を受けていた馬主が反撃に移る。 友人・知人がチームを組んで遂行する作戦が大掛かりで、行動力に驚かされる。この人、かなりの金持ちだし時間も自由に使えて、いいご身分だなぁ。勝ち組だ。彼女さんとの恋愛も英米間の遠距離なんだけど、余裕がある「大人の恋愛」って感じ。デート?で無愛想な調教師の厩舎に行くんだけど、よく振られなかったなぁ(笑)。 作戦中はワクワクするんだけど、結末は少しほろ苦い。「競馬では、お伽噺のような結末を期待しても無意味なのだ」2018/03/31

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