内容説明
星が大好きな少女ガートルードは、人間と妖精が共存する樹上都市・ペリドに住む魔女だ。この街に来て二年、孤児院の子供たちに空を廻るものについて語り聞かせる仕事をしている。そんなある日、星がつまった部屋の存在を知ったガートルードは、夜色の姿をしている夜の神ノクスを招喚する。彼女の望みはノクスがかつて作ったとされる、星がつまった部屋をもう一度作ることだった。「君はどうして、星の部屋を作りたいんだ?」夜の神はそっと尋ねる。「夢だったんです。わたしと、両親の」魔女はぽつりと答えた。樹上都市に住む魔女が星の輝きに見る過去と未来。すこしでもあの星に近づきたくて。※巻末ページのリンク先にはジャンプ出来ませんのでご了承下さい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たるき( ´ ▽ ` )ノ
48
ものすごく久しぶりに再読。ガートルードの抱えた闇が深くて辛くて、逃げたくなる気持ちがよくわかる。でも彼女は成し遂げた。過去は変えられないが、現在の生き方で未来は変えていける。きちんと受け止めたのは立派だと思う。なにより、星の部屋の描写に夢中になった♫2021/05/17
エンリケ
34
うら若き魔女を主人公にしたファンタジー。大樹の上の街。跳梁する妖精達。前半はほのぼのとしたお伽噺だと思った。しかし後半は悲しいくらい世俗的で、彼女の悲惨な過去が明らかになる。戦争という愚劣極まりない人間の行為に嫌悪を感じた。魔女ガートルードが欲しかったのは永遠の美しい星々。でもそれは両親への思慕の代償。そして自分の大きすぎる罪悪感からの逃避だったのだろう。奥行きの有る世界観。魅力的な登場人物達。そして目をそらさせないストーリーテリング力。この作品がデビュー二作目とは信じがたい。又魅力的な作家に巡り会えた。2016/01/27
秋製
34
ゆったりとしたファンタジー。この話はスピード感はないので忙しい思いはしませんが、読んでいてほんわかしたり笑ったりドキドキしたり切なくなったりしました。 人間と妖精が共存する樹上都市・ペリド。そこに住むガードルードは明るく逞しく生きる魔女で、星が大好きな少女。彼女は「星の部屋」を作るのが夢。その夢の実現の為に、夜の神ノクスを召喚する。ガードルードの過去、ペリドにたどり着いた理由、「星の部屋」や星に対する執着じみた感情の理由が明らかになるにつれ私の中の彼女の印象が恐ろしいほど変わりました。 「わたしのいないと2013/04/17
ひめありす@灯れ松明の火
32
活字倶楽部より。ミギーさんの水彩画の挿絵のよく似合う穏やかで少し悲しいファンタジー。レモネードがとても美味しそうで印象的でした。この方の文章は暖かいけど沈んでいてとても雰囲気のある文章で好きなのですが、この後筆を置かれてしまったようで寂しいです。2010/03/23
むつぞー
15
星の好きな少女、魔女、猫の姿の夜の神、妖精、樹の上、雨…そして星! なんというか私の好きなモチーフを集めて作られたような物語です。 もちろん道具立てだけではなく、その物語も大変好みでした。 案外したたかで、黒さもある少女・ガートルードが星の部屋を作る…言ってしまえばそれだけの話でもあります。 なのになんでこんなにキレイで心躍り、そして哀しいんでしょう。2010/03/21
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