内容説明
闊達自在な老耄の境地を示す井伏文学の真髄。豊臣秀吉に寵愛された、博多の豪商茶人神屋宗湛の日記から、秀吉の茶会の人間模様を浮き彫りにした表題作他「うなぎ」「質流れの島」「雷鳥」など七作品を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yuko Furukawa
2
宗湛日記が原文で読めないので、まずここから読んでみようと読んでみた。宗湛の時代のお茶会でどんなものを茶菓子にしているのか知りたかったからだ。もっと厳密に言うと秀吉に伴って千利休が九州に下り、箱崎の松原で日本で初めて野点をしたと言われている場所がある。そこでどんなものを茶菓子にしながらお茶会をしたのか。残念ながら松原での茶菓子の詳細はなかったが、箱崎での他の茶会で串鮑と椎茸という記載があった。現存している松原茶会の絵の中に串が見えるところからどうやら絵の中では串鮑を食べている様子がうかがえる。2018/03/25
はとむぎ
2
茶道検定の勉強してたり、Jcom福岡の「福岡昔話」みたいなので見てたりしたから、すっと頭に入ってきてわくわくしながら読みました。ホントに秀吉に「筑紫の坊主、筑紫の坊主」って呼ばれてたんだー。おもしろい! 2010/02/06
ひろゆき
1
表題作以外に短編六作。晩年の作。飄々。主題がどこに行ったのかわからぬままに、結末。というか特に私たちが普通、思うような意味での結末をつけようとしてない。大作家だから許される作かもと言いたくなる。日記、記録、同窓会案内、私信といったものの言葉を記録したり翻訳、再構成するとともに、小説の素材としている。まずもってその素材を味わうものかと。渋いユーモア、特に冒頭の「うなぎ」。2018/02/26
AR読書記録
1
お歳召してからの作だからか,飄々というか融通無碍というか,あるいはとりとめのないというか,そういう印象のある作品が多いなあと思う.他人のことボケてるようにいうてるけど,案外どっちがどうでもおかしくないで...みたいな.でもそのなかの味は,やっぱり名人芸ともいっていいものなんだろう.和尚さんが話を聞いている最中にふと部屋の調度品の方に気を向かせる様子とか,物語に真実味を,深みを持たせる技なんだと思う.『ピカレスク』以来,距離を置きつつもなんか気になってしまう作家という位置づけが続く.2011/06/02
月照彦
0
博多の豪商であり茶人である神屋宗湛の日記とはいうものの、宗湛の主観が一切入っておらず、面白味が感じられにくかったが、ほとんど連日のように茶会に参加して生活している様がなんともすさまじい。2013/06/24
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