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内容説明
日本実業界の父が、生涯を通じて貫いた経営哲学とはなにか。「利潤と道徳を調和させる」という、経済人がなすべき道を示した『論語と算盤』は、すべての日本人が帰るべき原点である。明治期に資本主義の本質を見抜き、経営、労働、人材育成の核心をつく経営哲学は色あせず、未来を生きる知恵に満ちている。
目次
第1章 処世と信条
第2章 立志と学問
第3章 常識と習慣
第4章 仁義と富貴
第5章 理想と迷信
第6章 人格と修養
第7章 算盤と権利
第8章 実業と士道
第9章 教育と情誼
第10章 成敗と運命
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
265
社会の末席を汚しつつ、家族を養える程度の金子を頂戴できれば充分な身としては、直接的に使えるノウハウは少なそうです。道徳観や倫理観は胸にしまっておきます。現代の学びは、教養に重きを置き、武士道精神的な心の鍛錬が軽視されがちなのは、指摘通りの様な気がします。事を成す人、人を牽引する人、所謂社長さんが、何に根差しているかを見る機会があれば、本書を参考にします。最後に本書の締の言葉"成功など、人としてなすべきことを果たした結果生まれるカスにすぎない以上、気にする必要などまったくないのである"おい、時代の寵児!2020/02/05
つっちー
209
恥ずかしながら、渋沢栄一という人物をこの本を手に取るまで知りませんでした。 実業家は利益だけでなく、公益、国益をも追及すべきという主張は、昨今の企業コンプライアンスの厳格化をみても、やはり正しいのでしょう。 しかし、現代の感覚でみると、古く感じる部分もあります。 老舗企業の社是や、経営理念をいろいろ見聞きすると、少なからず渋沢氏の影響は見られます。 時代を超えて通用する考え方も多く、社会人ならば、読んで損はないと思います。2019/04/04
ちくわ
201
渋沢栄一の名著である。冒頭から猛烈な既視感が…二宮翁の「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」が頭を巡る。内容は単純に素晴らしい。また彼自身がその内容を実践し、日本の近代化に多大な貢献した事に敬服する。ただ…残念だが、この道徳経済構想は現在上手く機能していない。数値化出来る経済に比べ、道徳は抽象的で解釈が人夫々だからか? 特に近年は価値観がより多様化し、道徳と経済とを結び付け難い時代だと感じる。最近流行りのコーズリレーテッドマーケティングも欺瞞が見え隠れしてるしなぁ…新一万円札が泣いている。2024/11/21
やすらぎ
193
繊細に大胆に。欲望に走りすぎず、道理を守り貫く。人は得意になっているときに失敗する。富の向上とともに精神の向上も必要だか、現代は道を見失っている。小さな志は移り変わるが、大きな志からは決してはみ出さないこと。失敗と工夫の教訓からの立志。智、情、意(知恵、感情・情愛、意志)のバランスを保とう。普段から意思の鍛錬をしていなければ、機転を利かすことは難しい。習慣になるまでの継続。生活は変わっても人間は変わらない。約百年前の「論語と算盤」は今や未来を語るよう。進む道は示されているが、そのようにいかないのが人生か。2024/09/13
ぴよこ
189
全く渋沢栄一氏の事を知らなかった自分がとても恥ずかしかった。日本にこのような方がいたことは宝だと思いました。道徳。自分は思いやりという事をココロにいつもとめていましたが、この本を読んで少し違う何かが思いやりに変化しつつあります。ので、再読ですね!2019/01/21