内容説明
あらゆるシステムは、相互作用関係によって自己システムの定常性(安定性)を保全し再生産している。刑法もまたシステムである。総則と各則からなるシステムであり、各条文は構成要件と法的効果からなるシステムであり、構成要件は各種の諸要素からなるシステムである。自然人たる人間中心の思考方法が刑法学の世界では主体となっているが、その思考方法では限界があろう。刑法学へのシステム論の導入の必要性を熱く論じる。/第1章:「法の理論と哲学におけるディヒョトミー化」について 第2章:刑法にとって自由意思論は無用か 第3章:刑法と自由意思 第4章:認知科学と故意・過失論 第5章:刑法(学)のための行為概念─システム理論的構想の素描 第6章:認知科学と刑法的行為論─アウトポイエティッシュなシステム理論を顧慮して 第7章:共謀共同正犯 第8章:組織と犯罪─システム理論と経営組織論からのアプローチ 第9章:企業法人の犯罪主体性 第10章:ドイツ環境刑法の概観 第11章:21世紀刑法学の視座─システム思考の必要性
目次
第1章 「法の理論と哲学おけるディヒョトミー化」について
第2章 刑法にとって自由意思論は無用か
第3章 刑法と自由意思
第4章 認知科学と故意・過失論
第5章 刑法(学)のための行為概念―システム理論的構想の素描
第6章 認知科学と刑法的行為論―アウトポイエティッシュなシステム理論を顧慮して
第7章 共謀共同正犯
第8章 組織と犯罪―システム理論と経営組織論からのアプローチ
第9章 企業法人の犯罪主体性
第10章 ドイツ環境刑法の概観
第11章 21世紀刑法学の視座―システム思考の必要性