内容説明
ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと――。陸上選手から自転車競技に転じた白石誓は、プロのロードレースチームに所属し、各地を転戦していた。そしてヨーロッパ遠征中、悲劇に遭遇する。アシストとしてのプライド、ライバルたちとの駆け引き。かつての恋人との再会、胸に刻印された死。青春小説とサスペンスが奇跡的な融合を遂げた! 大藪春彦賞受賞作。
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走る本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
1060
弱虫ペダルを読んでから本書に興味を持って読んでみた。なんとなく弱虫ペダルの登場人物が出てきているような名前が多かったので親近感が湧いた。そしてこの競技って犠牲(サクリファイス)がレースに重要な要素なんだなと思った。内容についてはアシストに徹する主人公が最後エースからアシストされていたことが衝撃だった。また続編のエデンがあるとのことだったので読んでいきたい。2016/08/29
ヴェネツィア
917
近藤史恵は初読。自転車のロードレースの世界を描く珍しいミステリー。日本ではあまり知られることはないが、ヨーロッパでは自転車選手はサッカー選手に匹敵するほどの人気。もちろん、トゥール・ドゥ・フランンスやジロ・ディタリアをはじめとしたレースも熱狂的に観戦されている。本書の舞台は日本でのそれだが、レースとその前後の選手たちの動きは臨場感に溢れている。当然、スピード感が横溢する文体が要求されるが、近藤史恵は見事にそれに答えている。自転車レースは心理戦でもあるのだが、これまたその複雑さが巧みに表出されている。2024/05/07
遥かなる想い
838
2008年このミス国内七位。 第五回本屋大賞第二位という帯に惹かれて読んだ。軽く読めるが面白い。自転車競技にかける白石誓を主人公にエースの石尾とそのまわりにうずまく嫉み・悲劇・かけひきがうまくちりばめられている。2011/03/17
ビブリッサ
726
BSで毎年ツールドフランスを楽しみに観ています。自転車って人が人力で走る乗り物の中で最速。ロードレースでは、一つのチームがただ一人のエースを勝たせるためにサクリファイス(犠牲)となって、勝負に挑む。そこには他チームとの駆け引きの他に、チーム内での争いもある。冷徹なエースは、過去に罪を?チームの中で自分の仕事を全うするとは?ミステリーも絡みサクサクと読めます。自分の脚に全てをかけて勝負する男たちは、やっぱりカッコイイです!2016/04/26
ehirano1
706
いやはや面白いですね。ロードレースを題材にしたミステリーっていうのが新鮮ですし、ミステリー色をゴリゴリに出さずに必要最低限に留めたことで謎解きに終始することなく楽しめました。また、one for all, all for oneは理屈ではなく感情ですね。こういった感情が後天的に持てるのか、そうでないのか、当方は気になっています。2017/06/03
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