内容説明
宇宙旅行に関するローマ法王の文書をめぐり、神父たちが奇妙な騒動を繰りひろげる「よろこびの機械」、火星の古い井戸の中でじっとあることを待ちつづけている男の悲哀をつづる「待つ男」、ある朝突然、全人類が姿を消して静寂そのものとなった地上の世界を旅する一家の物語「休暇」など、珠玉の21篇を収録。特異な文明批評と、幻想味あふれる叙情性で知られるSFの詩人ブラッドベリが精魂をこめて謳いあげた傑作短篇集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
98
ブラッドベリの短編集で21の作品が収められています。SFと思っていると肩透かしのような感じを受けます。ファンタジーというか怪奇的なものもあったりして私の好みのものが多くありました。「待つ男」などは、日本にもありそうな怪奇小説のような感じです。「休暇」も何か世界の終末を感じさせる話です。やはりブラッドベリは愉しみを与えてくれます。2025/03/30
おーすが
14
タイトルはかなりSFぽいが、ファンタジーのほうがしっくりくる。『火星年代記』の最終章にも似た「休暇」、『華氏451度』と同モチーフを扱う「シカゴ奈落へ」をはじめ、ブラッドベリの魔法感じる贅沢な21篇。「ラザロのように生きるもの」や「死神と処女」などの奇譚には、思わずのせられてしまう。「かくてリアブチンスカは〜」も好き。現実と幻覚のはざまで甘えさせてくれるようなロマンチックさにきゅんとする。内容はダークだけど。2022/07/04
ニミッツクラス
11
91年の税込560円の16刷を読んだ。66年の銀背のあと、76年にSFではなくNVで出た。途中で新装し、その後マイナーチェンジしたが年代は共に不明。ブラッドベリはその独特の筆致から、承知で読むにはハズレの少ない作家で、本書も珠玉と呼ばれるにふさわしい21作品が揃っていると思う。「死者の日」と「ホアン…」は祭事の“死者の日”絡みでまるで連作のよう。「刺青の女」は有名な「刺青の男」と内容的には関係ないが、意外なオチが面白い。「シカゴ奈落へ」は「華氏451度」の元ネタかと思えるが、実はこちらが後発。★★★★☆☆2018/03/22
シロビ
10
短編であるのに、それぞれに映画がつくれそうなほど、光景や人物や音や色が鮮明イメージできる。読み進めるほどその世界観にのめり込んでいく不思議な感覚。噛み合っていなかった歯車が結末に向けて徐々に機能していくような読後感。「よろこびの機械」「ラザロのごとく生きるもの」「世にも稀なる趣向の奇蹟」「オコネル橋の乞食」が特に好き。後書きの「白鯨」気になる…。他の作品も読んでみたくなりました。2020/06/04
もなおー
10
訳との相性が悪かったようで、少し読んでいくのに苦戦した部分もあり、そのせいかブラッドベリの中でも比較的ぼんやりした作品が多かったように思う。全体的に面白いんだけど、中盤の中弛みがちょっと難しいところかな。2016/10/29
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