内容説明
宗教哲学と臨床心理学という全く異なる分野の専門家二人が「統合失調症」という病の諸相について、個々の論考とそれらを繋ぐ形の対談形式とで生き生きと論じるユニークな一冊。
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目次
第1章 統合失調症はつくられる
第2章 幻聴的思考と幻視的思考―言語優先か、イメージ優先か
第3章 自己嫌悪する自分から「あるがまま」の自分へ―ウィトゲンシュタインのキリスト教信仰
第4章 統合失調症と神体験について
第5章 秩序について―人間の発達過程と発症過程、カフカの『審判』からみた秩序
第6章 ウィトゲンシュタインの「確実性」の追求―『確実性について』にうかがえる「基本的信頼感」の再獲得
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハイパー毛玉クリエイター⊿
1
生きている人間にとってリアリティとは何か? 宗教哲学・言語哲学の星川氏と臨床心理学・医療心理学の松田氏の対談形式を軸に展開する。 他者からどう見えていようと、本人が“リアル”だと感じれば、それがその人にとってのリアルである。しかし統合失調症者とそうでない者、宗教者とそうでない者の間では“リアル”のかたちはしばしば大きく異なる。確固としたリアリティは人間の数だけ無限にあるが、それらは語り得る類のものではない、と私は理解した。2013/05/12
西村修平(偽)
0
統合失調症になったので調べてたらたまたま見つけた本。本書のテーマは生きている人間にとってリアルなもの/リアリティなものとは何かというもので、統合失調症者の妄想や幻覚もリアルなものであるということなのですが、結論としてはウィトゲンシュタイン風に言うとリアルとは「語りえぬもの」ということのようですw2014/12/04
tekesuta
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宗教体験と統合失調症の幻覚妄想の類似性。これにはどんな意味があるのだろうかと考える2011/05/30