内容説明
誰もが口ずさむ名曲には、意外なドラマや秘話が詰まっている。最初は三〇〇枚しかプレスされなかった「帰って来たヨッパライ」、原題は「王手」だった「関白宣言」。軟弱者扱いされた井上陽水、奇異で異質な存在だったユーミン――。フォークからJポップまで、現場で見つめ続けてきた筆者が綴る五十年史。読むだけでメロディーが浮かぶ「名曲ガイド50」付き。
目次
一九六〇年代―フォークが日本を揺さぶった(最先端だったフォーク;加山雄三の革命 ほか)
一九七〇年代―ニューミュージック黄金時代(第三回全日本フォークジャンボリー;スターの交代 ほか)
一九八〇年代―歌謡曲の逆転勝ちとビートの浮上(シングル・ヒットの連発;CMソングの時代 ほか)
一九九〇年代―メガヒット方程式の確立(愛は勝つ;ミリオンセラーとCD ほか)
二〇〇〇年代―音楽界の迷走と新たな「名曲」(「TSUNAMI」の大ヒット;宇多田か浜崎か ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
団塊シニア
9
団塊の世代としては当時の思い出が走馬燈のように蘇り懐かしく、筆者の40年にわたってまじかに見つめてきたJポップの歴史がわかり懐かしかったです。 よしだたくろうの結婚しようよのフレーズが印象的です。「僕の髪が肩まで伸びて君と同じになったら約束どうり町の教会で結婚しようよ」2012/04/01
パラレル
1
吉田拓郎にはかなりのページを割いていれが、テレビ出演を拒む原因となった、布施明の暴言、一人じゃ何もできねぇー奴らが衆を頼んで叫んだ「拓郎カエレ」コールには一言も触れていない。知らずか訳あって書かないのか?50年史としては、片手落ち。タイアップCDを売るための出版と邪推。2010/02/10
こっこ
0
70年代以降は、ほぼリアルタイムに接してきたので「ああ、あの頃か。あの曲か」などと思い出しながら、なかなか楽しく読めた。新書なので、通史になるのはやむを得ないが、もう少し深く書き込んで欲しかったかも。2015/04/16
かど
0
自分が体験してきた80年台以降がやはり特に面白い。他の年代もちてもわかりやすかった。2014/02/03
よしだ まさし
0
富澤一誠『あの素晴らしい曲をもう一度』新潮新書を読了。 サブタイトルは「フォークからJポップまで」。フォークソングの誕生から現在のJポップまでの流れを非常に分かりやすくコンパクトにまとめてくれた「私家版Jポップ・ヒストリー」。どこまでが歌謡曲で、どこからがJポップなのかは微妙に分からない部分もあるし、自分の感覚では「ええっ、この人はニュー・ミュージックの歌い手じゃないんじゃないの」と違和感を感じた部分もあることはある。でも、自分がリアルタイムで親しんできた世界であるだけに、非常に楽しんで読むことができた。2012/07/07