内容説明
日本の南の砦、最精鋭部隊に初の密着取材!
中国の調査船が頻繁に行き来し、北朝鮮の工作船が監視をかいくぐり海岸線への接近を図る――ここ10年で空気が緊迫した、対馬海峡から東シナ海へと跨る日本の領海。このレッドゾーンに点々と浮かぶ南西諸島の防衛のため、2002年3月、長崎で西部方面普通科連隊が産声を上げた。
全国から精鋭600名を集めた通称「西普連」は、米海兵隊との共同訓練を開始し、イラクへも隊員を派遣する……。
冷戦後の組織改編を象徴する部隊への密着取材を通じ、米軍との際限なき一体化にひた走る自衛隊と、危うい日本の行く末を描き出す本格ノンフィクション。
目次
第1部 西部方面普通科連隊(看板に偽りあり 秘密部隊 訓練展示 東シナ海 水路潜入 離島防衛 上番)
第2部 「日米軍」(聖域 連接 杜リック 海兵隊 国旗 ミリミリ)
第3部 戦後(連隊消滅 屯田兵 中隊長の妻 護憲の軍隊 問題隊員)
第4部 最前線(隊旗授与式 日本刀中隊長 オタク 志願 面接 再会 告別)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モモのすけ
5
「部下のためを思うというのは、部下に楽させてあげようということでは決してないだろう。いざというとき、死ななくてもすむような部下にするということだ」2013/03/29
じゅん
3
兵士シリーズの第四弾。本作では陸自の中でも上陸戦等に特化した西部普通科連隊について取り扱っている。他国の軍隊とは異なり、やりたいときにやりたい訓練ができるわけではなく、漁協など関連各部との綿密な調整が必要であることが印象に残る。また、廃止される倶知安町の連隊では一般企業であれば確実に首になるような人物であっても見捨ててり、仲間はずれにするでもなく、それとなく助けて共に歩んでいく姿が描かれる。非営利組織だからこそできるという面もあるが、有事には命をかける仕事であるからこそ、人間を大切にするのだろうか。2019/02/27
Koji
2
変わりつつあった時代の話。その後も時代は変わり続けている。2016/01/31
二人娘の父
1
シリーズ4部作の感想。90年代は自衛隊の役割が決定的変化を始めた時代。海外派兵である。そして今日、さらに自衛隊の存在が根底から変わりつつあることは間違いない。しかしここで描かれているのは自衛隊員という人間そのものである。それは少なくとも私はこれまで知ることはできなかった「素顔」である。著者の視点は常に自衛隊員の視点だ。ここを抜きに机上で行われる憲法論争には、説得力はない。そのことを痛感したシリーズである。日本の外交・防衛を論じるためには、必ず目を通すべきシリーズだ、というのが率直な感想だ。2015/02/05
フェイ
0
第一作から時代が変わり、2006年頃の西部方面普通科連隊が主体の話。第一作でレンジャー受けてた人たちが出世して西普連に配属されていたので再登場したり、有用なものを取り入れるという物わかりの良い上司に支えられ、軍オタ気質のある隊員の意見を採用して米軍の装備を採用するような場面もあった一方、日本国内で神格化されているアメリカの影響力を逆手にとって米軍との一体化で物事を打破する風潮に著者は疑問を呈する。 2017/05/07
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