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内容説明
誰でも一度は「過去に戻りたい」「時間よ止まれ」「未来を知りたい」などと夢想したことはないだろうか? だが、考えてみれば、当たり前のように流れるこの時間は、いつ、どこで、どのように始まったのだろうか? そもそも、我々の目に見えない<時間>とは一体何なのか?時間の謎は、物理法則だけでは解き明かせない。くしくも、カントが「時間は内観の形式である」と述べているように、その鍵はなんと生命の<意思>にあり、「意思とは何か?」を追究していく先に答えは存在する。むろん実証されたわけではない。あくまで仮説である。そんなことが科学的にいえるかどうか考えながら読み進めていただければ幸いである。本書は、物理畑のSF作家による、―古来より多くの哲学者、科学者が探求してきた永遠のテーマ―<時の流れ>に果敢に挑む、画期的な思考実験である。
目次
第1章 主観なしに宇宙は語れない<br/>第2章 もろい秩序が生命を可能にする<br/>第3章 物理法則を超えて共鳴するシステム<br/>第4章 相対論とミンコフスキー時空<br/>第5章 空間としてのシステム、時間としての主観<br/>第6章 時間の流れと主体的意思
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハッシー
92
★★★☆☆ 表題に惹かれて読んだが、難しすぎた(汗)。特に後半、時空間に虚数がでてきたあたりからは全く理解できなかった。著者の他の著書を読んでからのほうが良いかも知れない。第2章は、2007年に数々の賞を受賞した「生物と無生物のあいだ」のように、物質と生命の境界に切り込んでいて、面白かった。水分子の極性が生命活動にとって必要不可欠な役割を担っているという説明は、特に印象に残った。2018/11/27
おさむん
3
みなさんの感想・レビューを読むと、前著の『時間はどこで生まれるのか』を先に読んだほうがよかったのかな。虚数軸のミンコフスキ時空とか、わかったようでよくわからないけれど、私たちの主観(主体的意志)が時間の流れ、という理解でいいのでしょうか?2017/11/09
駒場
3
同じ著者の『時間はどこで生まれるのか』を先に読んだため分かりやすかったが、『時間はどこで~』の方が面白かったような……。速度=距離/時間という式で私達が速度を考える時、距離(空間)、時間を絶対的なものとして考えてしまっているがそうではない、という基礎から書いている本なので、なかなか本題に入らないように見えてちゃんとつながっている。文章を理解しながら次に進む、という作業が忙しいとなかなかできないので、たまにこういう本を立ち止まり立ち止まりしつつ読みたい2016/03/09
Lagavulin
2
物理系の話が中心です。 最後の方は難しくて飛ばしました。 私たちは時間を見ることで認識しています。重力も見ているだけで感じることはできない。2021/03/21
こうきち
2
KindleUnlimitedで読了。 PHPサイエンスシリーズを続けざまに読んでいるのですが、特に難しかったですね。2018/06/24