内容説明
「だれか市木を捜してくれ!」大分県で起こった駐在所爆破事件・菅生事件。国家権力が、ここまで謀略の限りを尽くすのか! 若きジャーナリストたちの執念が、ついに「消えた警官」を追い詰める。驚くべき「権力の犯罪」と、それに挑んだ「調査報道」の原点を追ったサスペンス・ノンフィクション。
目次
第1章 謎の男
第2章 駐在所爆破
第3章 疑惑
第4章 市木春秋は戸高公徳
第5章 共同通信、囮捜査員を発見
第6章 戸高発見
第7章 戸高出廷
第8章 内部仕掛け説
第9章 無罪
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sasha
5
警察による「でっち上げ」事件は、どのように行われたのか。1952年6月2日深夜に発生した、いわゆる菅生事件を時系列で追ったノンフィクション。国家権力の暴走は、次代が変わっても行われているのではないか。怖くなるよ、ある日、いわれのない罪に問われるんだから。2023/03/16
わゆ
2
国家権力が冤罪を作り上げる。平穏無事な日常なんて簡単に取り上げられてしまう怖さを感じました。これからの日本はどこに向いて行くんだろうね。2010/09/13
Yasutaka Hori
1
1年以上前にブックオフで偶然出会った本書。事件については全く知りませんでしたが、「本屋を冷やかす」からこそ見つけた「自分でamazon見てても出会えない本」。1950年代、共産党員に警戒を強める国家警察による囮捜査及び冤罪事件。当時携帯電話もない中で足を使い証拠をつかもうとするジャーナリズムの真髄を見た気がする。そして被告、弁護人、検察全て当時者は必死だったが、アナログだけに時にややこっけいにも映る直接的なやり取り。生まれてもいないけど、少し懐古的な気持ちにもなる本でした。2017/12/14
kikizo
1
警察の恐ろしさに呆れてしまった。自ら事件を起こし、関係のない人を犯人にでっち上げ挙句は白を切りとおす。昔はこのような冤罪が多かったんだろう。今はないことを信じたい。2014/08/20
いぅえもん
1
菅生事件って何?から読みはじめましたが、エピローグで、いま、菅生事件を振り返る理由が明確に納得のいく形で語られます。また、エピローグの最後では、まさにリアルタイムな女性問題で世間を騒がしている国家公安委員長の話題も。2010/03/28