内容説明
仕事がない。結婚できない。将来に希望が描けない――若者をここまで追い込んでしまった社会に未来はあるのか。家族社会学を専門とする著者独自の視点から解決の処方箋を提言。
【主な内容】
序 論 若者の「失われた20年」/第I部 若者が危ない/第II部 先送りされる格差・少子化問題/終わりに 民主党政権は、追い詰められた若者を救えるか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
阿呆った(旧・ことうら)
18
今の女子大生は専業主婦になりたい人が多いそうですね。でも、望みを叶えてくれる条件の男性は10%だそうです。2017/02/05
Humbaba
9
少し昔であれば,誰でも簡単に正社員になれた.また,年を重ねれば基本的に結婚も可能であった.しかし,それはもはや全力で手にしにいかなければ得られないものとなった.そのことを認識するからこそ,若者は夢を追わず,安定を求めるようになる.2011/05/31
自然堂
4
従来の利益配分構造から弾き出された大多数の若者は這い上がる術もなく希望を失い、その構造の中に入れた者もそこから漏れることを恐れ汲々とし萎縮する。旧態依然とした社会構造を変えようにも既得権を握った上の世代がそれを許さない。そうこうしているうちに社会全体から活力が失われて行く…。現在の若者がおかれている状況とその問題を洗い出し提起しているが、それに対する明確な解決策や意見は提起出来ていない。読んでいてどんどん暗澹たる気持ちになっていった。日本の未来は真っ暗だ…。2010/05/01
こねほ
3
この本の中で一番すっきりしたのは「顧客の便利は労働者の不便」というところ。働くひとはみんな顧客でも労働者でもあるから、クレームをする前に考えることは大切だとおもう。理論だけでなく、きちんと若者の視点に立った考察がこの筆者の特徴で、どの著作もどこかに希望を感じられる。2012/04/02
sugiken
3
家族社会学の山田昌弘氏による若者を取り巻く環境について分析した本。「なぜ若者の意識が保守化しているのか」という問いを出発点として、社会の大きな構造転換に追いついていない諸制度やわれわれの旧来から温存された意識を浮き彫りにする。筆者の家族社会学の視点が分析によく活かされていて面白い。『週刊東洋経済』のコラムをまとめているため、文章も読みやすい。2011/04/16




