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内容説明
「代表作」ばかりが名作ではない。作家たちが残した、あまり知られていないけれども極めておもしろい作品の数々。そこには、書き手の意外な一面や素顔がちらりと顔をのぞかせることも。裏まで奥まで、丹念に読めば読むほど深まる、小説の愉悦がここにある。異国の人魚に魅入られた皇帝の退廃と耽美の物語(谷崎潤一郎『人魚の嘆き』)、出生の秘密を抱える妹と兄とその友人の秘やかな三角関係(尾崎翠『無風帯より』)、女の片腕と過ごす奇妙な一夜に漂う孤独なフェティシズム(川端康成『片腕』)、女学生の一人語りで綴られる、自己を超越した自意識(太宰治『女生徒』)、冷感症の美女と精神科医の男の艶かしくも知的な駆け引き(三島由紀夫『音楽』)……。その他、夏目漱石、萩原朔太郎、芥川龍之介、宮沢賢治、梶井基次郎、吉行淳之介、多和田葉子と、彩り豊かな作家計12人が勢ぞろい。あなたにとっての名作が、きっと見つかる。[挿画:宇野亜喜良]
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
喪中の雨巫女。
10
《私‐図書館》文豪やこの本に登場する作家さんの代表作もあまり読んでいないのに、登場した作品は、よんでるのが、ある。代表作読もう。2012/05/10
ととろ
3
谷崎潤一郎『人魚の嘆き』を紹介していたので手に取った。著者は同作品を「倦怠とエキゾチズム」で読み解いた。同作品では、清王朝時代の若き富豪でありながら倦怠を抱える貴公子が、西洋の美しい人魚をひと目見てその解消を期待する。同時に西洋は人魚同様に美しい人々の住まう土地だと夢想する。帰郷を望む人魚の「嘆き」は美しい西洋への渡航を望む貴公子の「嘆き」と重なり、表題は回収される。「倦怠」という気分は大正時代に西洋より清朝を経て日本に輸入されたものであり、倦怠への憧憬は即ち支那と西洋の両方のエキゾチズムへの憧憬となる。2015/02/17
ottohseijin
2
読み解き方の妙をよむ本で、紹介された作品を読みたくなるタイプの書評ではなかったのは、少し残念。2010/02/22
し、も、だ、
1
太宰の「女生徒」に釣られて読んだのだけど、全体的によかった。手法とか、作者の狙いとか考察系。純粋に読みたいと思える本が多かった。2012/04/19
AR読書記録
1
別に隠れてないものも多かった気がするのと,「へえぇ,あの人がこんなん書いてはるんや」みたいな,意外な作品が紹介されていたわけではないかな,と思うので,タイトルから想像された読後感ではない.でも,そうか,小説の読み方にもいろんな技があるな,面白いな,と気づかせてもらえたのはありがたい.2010/10/08
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