文春文庫<br> 復讐するは我にあり

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文春文庫
復讐するは我にあり

  • 著者名:佐木隆三
  • 価格 ¥896(本体¥815)
  • 文藝春秋(2011/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167215170
  • NDC分類:913.6

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内容説明

昭和38年、高度成長に沸く日本国中が震撼した連続殺人事件。言葉巧みに人を騙し、殺し、日本列島を縦断しながら犯罪を重ねる男に対し、警察は史上初の全国一斉捜査を開始した。関係した女、目撃情報は多数あり、立ち回り先の遺留品や人をおちょくったハガキ……証拠の山を残しつつ、空前の捜査網をかいくぐり続けられたわけは? 78日間に及ぶ逃亡、10歳の少女が正体を見破るという予想外の逮捕劇、そして死刑執行まで、実話を元に克明に描く傑作長篇。直木賞受賞作。

目次










濘〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

105
5人を殺害した西口彰事件を題材にして、緒方拳主演で今村昌平が映画化した原作をようやく読んだ。映画が1976年のころらしいので、読もうと 思ってから随分たったことになる。本書を読んでいると、松本清張の作品を読んでいるようで変に落ち着くが、逆に読んでいてわくわくするような緊張感はない。 2010/06/06

honyomuhito

79
宮部みゆきの「理由」はオマージュなのだろうかと思うほど事件の関係者の証言を積み上げて話を展開させる手法、犯人確保のされかたが似ている。その後の作家たちに新たな手段をもたらした分岐点的な作品なのかもしれない。平成も終わろうとする今読むと、時代の移り変わりと人間の変わらなさを感じる。犯人の色欲、金銭欲、支配欲の強さにドン引きしつつ、こういう全方向に意欲の強い人間が間違った方に向くと、とんでもない事件起こすのかと恐れ慄く読書だった。https://chirakattahondana.com/復讐するは我にあり/2018/11/03

nonpono

71
そもそもわたしが犯罪や事件のノンフィクションにハマるきっかけはなんだろう?と思っていたら、思い出した、佐木さんだ。10代の時にこの作品の映画を見たからだ。緒形拳のエネルギッシュさ、大好きな三國連太郎のいやらしさを目の当たりにした。刺激的だった。そして原作に行き着くんだ。佐木さんから永山則夫も無名の犯罪者もたくさん教えて頂いた。裁判資料を使いながらも、犯人の足跡をたぐりながらのルポタージュの面白さを。いつか裁判を傍聴したい夢の実現はまだ。だけど佐木さんの事件を多角化した視線で読み取る姿に影響を受けているな。2025/02/08

33 kouch

58
全国を巡りながら行商する、或は絵を描くといった生活には昔から憧れがある。まさかその犯罪バージョンがあるとは。知能犯ということよりも、それをやろうとする度胸が凄い。オリンピックで治安維持に躍起になっている監視下、何故捕まらないのかも不思議。捕まってからの減らず口も印象的。これがノンフィクションというから凄い。その人間像は切れ者のサイコパスというより、直情的なところも多く、むしろ人間らしささえ感じる。まぁこの辺が人たらしで詐欺師な所以なんだろうが。弁護士を騙る内容をみると想像力も豊かなんだろうな。2024/07/21

Vakira

56
なんともカッコイイ題名。クールな復讐劇を想像してしまう。モデル実話あり。誰が誰に復讐するのか?刑事あるいは被害者が犯人へ?しかし本来の意味は新訳聖書(ローマ人への手紙 第12章19節)にある言葉「愛する者よ、自ら復讐するな、ただ神の怒に任せまつれ。録して『主いひ給ふ、復讐するは我にあり、我これに報いん』」から来ている。よって報復を与えるのは神である。では神は誰に復讐するのか?そもそも実話の小説化に神が登場するのか?佐木さん上手い。この題名の所為でもしや?刑事ではなく犯人こそが神の分身かと思わせる。2021/08/22

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