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内容説明
国の森林皆伐計画によって繁殖力が強化され、森林の土壌に大きな影響を与えるまでに増えたシカ。数年に一度大量出没するクマ。食物だと認識していなかった人間の農作物を、採食し始めたニホンザル。神戸市内でゴミをあさるイノシシ…。かつて人と動物の“入会地”であった日本の里山は、今や野生動物の領有地となっている。なぜこのような問題が起こっているのか? 人と動物と森の理想的なあり方とは? 兵庫県はこれらの問題を解決するために、2006年、兵庫県森林動物研究センターを設立した。本書は、同センターの名誉所長であり、世界的なサル学者である河合雅雄、同センターの所長で東京大学教授の林良博、そして同センターの研究員六名が、野生動物の現状に迫った一冊である。日ごろ野生動物と接する機会が少ない都会人にこそ、日本の環境の実態を知るために読んでもらいたい。
目次
野生動物の反乱
里山とは何か
ワイルドライフ・マネジメント
ニホンザルの被害はなぜ起こるのか
シカと向き合う
ツキノワグマ―絶滅の危機からの脱却
イノシシ―人の餌付けが悲劇を生む
外来生物 アライグマとヌートリア
野生動物管理と獣医学
森林から野生動物との共存を考える
獣害と地域住民の被害認識
日本人の動物観
倫理面からみたワイルドライフ・マネジメント
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