講談社学術文庫<br> シチリア・マフィアの世界

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講談社学術文庫
シチリア・マフィアの世界

  • 著者名:藤澤房俊【著】
  • 価格 ¥1,045(本体¥950)
  • 講談社(2014/10発売)
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  • ISBN:9784062919654

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内容説明

「シチリア。道化芝居と悲劇が絶え間なく繰り返されるその人間の大スペクタクルをよりよく理解するには、マフィアをわかる必要がある」 シチリアの過酷な風土と圧政とが育んだマフィア。大土地所有制の下で、18世紀に台頭した農村ブルジョワ層は、暴力と脅迫でイタリア近・現代政治をも支配した。謎の組織の誕生と発展の歴史を辿る。(講談社学術文庫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kazi

23
スコセッシやコッポラ監督が撮るマフィア映画の大ファンなので、本著でその文化・歴史的背景について勉強してみました。歴史をさかのぼると、19世紀中葉まで戻ることになり、そこにはシチリア民衆による“国家”に対する挑戦的な意識があり、司法や政治をも巻き込んだマフィアはただの犯罪組織にとどまらない“現象”であると理解しました。1980年代になっても、マフィアに対してメスを入れようとした判事や将軍が殺されているということがものすごい衝撃。そこに生きる人の意識が根底から変わらない限り、状況は変わらないのかもしれません。2024/03/17

SAT(M)

14
マフィア=アウトローというイメージを持ちがちですが、元々は大地主と農民との間に立ち、(恐怖と暴力で)在地を支配するといったような、日本史で言うところの地頭に似た、権力構造の一部だったそうです。時代が下っても、権力や民衆運動と結びつきながら、既得権益はガッチリ確保する強かさ!(意外にもムッソリーニ政権とは折合いが悪かったようですが…)。大戦後焼け野原になったシチリアにて、盛んになった建設業界にマフィアが進出する様は、「仁義なき戦い」の時代と共通する所があります。マフィアを知れば近代イタリア史も分かる(?)2020/06/13

sibasiba

13
原本は1988年なので情報が古い。しかしシチリアマフィアの誕生と発展をわかりやすく解説していて入門書に最適。農地監視人出身が多かったとかアメリカのマーノ・ネーラ、後のコーザ・ノストラとの関係。第二次世界大戦での連合軍に協力するマフィア。「封土のマフィア」から「起業家のマフィア」に変貌し農村から都市へ。マフィアではないけど山賊が大戦後も存在したとか何処の第三世界だ。家畜窃盗が山賊やマフィアの収入源のひとつなのが面白い。山賊ジュリアーノはロマンチックな存在だが利用され尽くして捨てられて哀れ。2015/11/09

ふぁきべ

9
これをシチリア人が読んだらどう思うだろうか。シチリアとマフィアの同一視を再三にわたり否定しながら、シチリアの文化やメンタリティはマフィアに根差していると同時に書いている。シチリアマフィアがシチリアとその大土地保有性に根差していて、農民や地主層へ大きな影響力を持っていたことは否定のしようがないけれども。その封建的な性質を取り除けなかったのはマフィアによるところが大きいから、封建的で中世的なところをシチリア的と言ってしまうなら、それはマフィアに根差しているともいえるが・・・。2019/03/16

てれまこし

5
で、国家になり切れなかった暴力団がこれ。マフィアは元は単なる犯罪組織じゃなくて、特定の領土において経済的に人民を支配した階層である。ただ、その領土が常に外部の支配に服していたから、自ら法や掟を定め、自らその執行機関を有し、特権を維持しようとした。国民国家のなかにありながら、独自の大土地所有制という自らの権力基盤を守るためには、手段を択ばない。封建的な秩序が継続し、政治権力と経済権力は分離しない。主権国家はこうした自律的な社会を個人にばらしていかないと成立しないが、政党政治はむしろこれを温存する方向に働く。2018/09/09

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