ヴァーグナーの「ドイツ」 超政治とナショナル・アイデンティティのゆくえ

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ヴァーグナーの「ドイツ」 超政治とナショナル・アイデンティティのゆくえ

  • 著者名:吉田寛
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  • 青弓社(2014/03発売)
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  • ISBN:9784787272737

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内容説明

音楽によって「真のドイツ」を打ち立てようとした作曲家リヒャルト・ヴァーグナー。三月革命や統一戦争で国家の輪郭が激しく揺れ動いた時代、複数の「ドイツ」がせめぎあうなか、超政治としての芸術を実践した彼の「ドイツ」はいったいどこに向かったのか。19世紀ドイツのナショナリズムを新たに問い直す音楽史。
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目次

凡例

序章

第1章 出発点としてのコスモポリタニズム──最初期のオペラと著作にみる「ドイツ的なもの」(一八三四―三九年)
 1 『妖精』と「ドイツのオペラ」
 2 「パスティッチョ」と『恋はご法度』

第2章 パリでの挫折を経て──「フランス的なもの」に対する批判意識の芽生え(一八三九―四二年)
 1 「ドイツの音楽について」
 2 パリでの挫折とフランスの音楽文化に対する批判意識の芽生え

第3章 ドレスデン時代──革命期の思想にみる「ドイツ的なもの」の理念(一八四二―四九年)
 1 「三月前期」のヴァーグナーの活動──宮廷楽長として
 2 三月革命の勃発と「ドイツ国民劇場」の構想
 3 共和主義運動への加担──ユートピアとしての「新しいドイツ国」
 4 ドレスデン蜂起から亡命生活へ

第4章 『未来の芸術作品』と民衆(ルビ:フォルク)の理念──チューリヒ亡命時代・1(一八四九年)
 1 『芸術と革命』
 2 音楽の歴史哲学とそこでのベートーヴェン『第九交響曲』の位置付け
 3 『未来の芸術作品』

第5章 『オペラとドラマ』にみる「ドイツ的なもの」──チューリヒ亡命時代・2(一八五〇―五一年)
 1 生殖行為としての劇(ルビ:ドラマ)
 2 ヴェーバーと「民謡」の復興
 3 レッシングの芸術境界論に対する批判
 4 「ゲルマン的」対「ローマン的」──「ゲルマン的」詩人としてのシェイクスピア
 5 ドイツ人とギリシャ人の類似性
 6 最も根源的な言語としてのドイツ語
 7 革命思想の変質と「ドイツ的なもの」の再浮上──方向転換のいくつかの背景

第6章 祝祭劇場の構想とドイツへの帰国の途(一八五二―六四年)
 1 祝祭劇場の構想と亡命生活の終わり
 2 『未来音楽』──ローマン系諸国民に対するドイツ人の芸術形式の優位
 3 ルートヴィヒ二世との出会い──転換点としての一八六四年

第7章 「最もドイツ的な国家」としてのバイエルン──ミュンヘン時代(一八六四―六五年)
 1 「国家と宗教について」──革命家から国家主義者への転向
 2 「私はドイツ精神である」
 3 「ドイツ的とは何か?」
 4 ヴァーグナーのプロイセン批判──「ドイツ的とは何か?」の改訂の問題
 5 ドイツ統一をめぐる一八六〇年代の情勢とバイエルンの位置
 6 宮廷での権力闘争とミュンヘンからの追放

第8章 ドイツ統一戦争とヴァーグナー──トリープシェン時代(一八六六―七〇年)
 1 「ドイツの守護神」としてのバイエルン── 普墺戦争前夜のヴァーグナー
 2 普墺戦争とヴァーグナー──バイエルンとプロイセンのあいだで
 3 ミュンヘンからニュルンベルクへ──「ドイツ的なもの」の変貌
 4 普墺戦争後のヴァーグナー──フランスに対する警戒とプロイセンへの接近
 5 『ドイツ芸術とドイツ政治』
 6 「ドイツ精神」の真の理解者としての自覚
 7 『ニュルンベルクのマイスタージンガー』
 8 ルートヴィヒとの確執とビスマルクへの接近
 9 普仏戦争(一八七〇―七一年)とヴァーグナー
 10 『ベートーヴェン』

ほか

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