内容説明
音楽によって「真のドイツ」を打ち立てようとした作曲家リヒャルト・ヴァーグナー。三月革命や統一戦争で国家の輪郭が激しく揺れ動いた時代、複数の「ドイツ」がせめぎあうなか、超政治としての芸術を実践した彼の「ドイツ」はいったいどこに向かったのか。19世紀ドイツのナショナリズムを新たに問い直す音楽史。
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目次
凡例
序章
第1章 出発点としてのコスモポリタニズム──最初期のオペラと著作にみる「ドイツ的なもの」(一八三四―三九年)
1 『妖精』と「ドイツのオペラ」
2 「パスティッチョ」と『恋はご法度』
第2章 パリでの挫折を経て──「フランス的なもの」に対する批判意識の芽生え(一八三九―四二年)
1 「ドイツの音楽について」
2 パリでの挫折とフランスの音楽文化に対する批判意識の芽生え
第3章 ドレスデン時代──革命期の思想にみる「ドイツ的なもの」の理念(一八四二―四九年)
1 「三月前期」のヴァーグナーの活動──宮廷楽長として
2 三月革命の勃発と「ドイツ国民劇場」の構想
3 共和主義運動への加担──ユートピアとしての「新しいドイツ国」
4 ドレスデン蜂起から亡命生活へ
第4章 『未来の芸術作品』と民衆(ルビ:フォルク)の理念──チューリヒ亡命時代・1(一八四九年)
1 『芸術と革命』
2 音楽の歴史哲学とそこでのベートーヴェン『第九交響曲』の位置付け
3 『未来の芸術作品』
第5章 『オペラとドラマ』にみる「ドイツ的なもの」──チューリヒ亡命時代・2(一八五〇―五一年)
1 生殖行為としての劇(ルビ:ドラマ)
2 ヴェーバーと「民謡」の復興
3 レッシングの芸術境界論に対する批判
4 「ゲルマン的」対「ローマン的」──「ゲルマン的」詩人としてのシェイクスピア
5 ドイツ人とギリシャ人の類似性
6 最も根源的な言語としてのドイツ語
7 革命思想の変質と「ドイツ的なもの」の再浮上──方向転換のいくつかの背景
第6章 祝祭劇場の構想とドイツへの帰国の途(一八五二―六四年)
1 祝祭劇場の構想と亡命生活の終わり
2 『未来音楽』──ローマン系諸国民に対するドイツ人の芸術形式の優位
3 ルートヴィヒ二世との出会い──転換点としての一八六四年
第7章 「最もドイツ的な国家」としてのバイエルン──ミュンヘン時代(一八六四―六五年)
1 「国家と宗教について」──革命家から国家主義者への転向
2 「私はドイツ精神である」
3 「ドイツ的とは何か?」
4 ヴァーグナーのプロイセン批判──「ドイツ的とは何か?」の改訂の問題
5 ドイツ統一をめぐる一八六〇年代の情勢とバイエルンの位置
6 宮廷での権力闘争とミュンヘンからの追放
第8章 ドイツ統一戦争とヴァーグナー──トリープシェン時代(一八六六―七〇年)
1 「ドイツの守護神」としてのバイエルン── 普墺戦争前夜のヴァーグナー
2 普墺戦争とヴァーグナー──バイエルンとプロイセンのあいだで
3 ミュンヘンからニュルンベルクへ──「ドイツ的なもの」の変貌
4 普墺戦争後のヴァーグナー──フランスに対する警戒とプロイセンへの接近
5 『ドイツ芸術とドイツ政治』
6 「ドイツ精神」の真の理解者としての自覚
7 『ニュルンベルクのマイスタージンガー』
8 ルートヴィヒとの確執とビスマルクへの接近
9 普仏戦争(一八七〇―七一年)とヴァーグナー
10 『ベートーヴェン』
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