ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの闘い

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ブラックホール戦争 スティーヴン・ホーキングとの20年越しの闘い

  • ISBN:9784822283650

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内容説明

「情報のパラドックス」という問題をめぐって、理論物理学者のレオナルド・サスキンドはスティーヴン・ホーキングと20年以上にわたって論争を続けた。本書はその理論的対決の物語。サスキンドは理論的な対決の物語を遊び心たっぷりの読み物に仕上げた。サスキンドは「エネルギーとは何か」「物理学でいう情報とは何か」「情報の保存とは何か」「エントロピーとは何か」といったもっとも基本的なことからていねいに説明しているので、本書を読むのに特別な知識はまったく必要ない。本書の隠れた主題は、物理の面白さを伝えることにある。本書は物理学への賛歌であり、物理の考え方の本当の面白さを心ゆくまで堪能できる一冊。

目次

第1部 たれこめる暗雲(最初の一撃;暗黒星;古い時代の幾何学ではなく;「アインシュタイン、神に何をすべきか命じてはならない」;プランク、より良い尺度を思いつく;ブロードウェイのバーにて;エネルギーとエントロピー;ホイラーの教え子たち―ブラックホールの中にどれだけの情報を詰め込めるか;黒い光)
第2部 奇襲攻撃(スティーヴンはビットを見失い、見つけられなくなった;オランダ人の抵抗;それが何の役に立つ?;手詰まり;アスペンでの小競り合い)
第3部 反撃(サンタバーバラの戦い;待て!配線を逆にしろ;ケンブリッジのエイハブ;ホログラムとしての世界)
第4部 戦争の終わり(大量推論兵器;アリスの飛行機、または目に見える最後のプロペラ;ブラックホールを数える;南アメリカの勝利;核物理学ですって?ご冗談でしょう!;謙虚さ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

月をみるもの

12
もと配管工からスタンフォードの教授にまで成りあがった(?)サスキンドとホーキングの間で起こった 「ブラックホールの中に投入された情報(エントロピー)は、この宇宙から消え失せるのか?」という論争。本を売るためには、数式を減らすことと、ホーキングの人生のようなドラマが必要なのかもしれないが、そんなセコい部分にこだわらなくても十分な知的興奮が味わえることは間違いない。最近いろんなところで、AdS-CFT 対応の話を聞くけど、源流はここにあったんだな。ちゃんと、マルダセナの歌まで出てきて笑える。2020/08/09

GASHOW

9
ブラックホールという言葉は広く知られているが分かっていないことが多い。吸い込まれてしまったあと情報が消滅するかしないか。ホワイトホールのようなものは無いことがわかった。タイムマシンで過去に戻ることはできないが、未来にはブラックホールの地平線に近づくことで可能だという。あーむずかしい。2016/08/18

BIN

8
ブラックホールに情報が落ちた場合にその情報が失われるか残るかに関するホーキング(失う派)と著者らの論争のこと。宇宙物理学者VSひも理論者の争いにも見える。当事者が書いているので流れがわかっていいですね。ポイントとなるブラックホールの相補性やホログラフィック原理についてが全くわからない。ホーキングに勝ったのは凄いが、もうホーキングは病気で頭の中でしか計算できなくなっていのが無惨。ひも理論から見たブラックホールについてまとまった本はないだろうか。やはり数式ないとわからない。2019/08/21

yooou

4
☆☆☆☆★ 難しい〜!楽しい〜!面白〜い!2011/05/01

ななみ

3
ブラックホールに落ちた情報は失われるのか否か。20世紀の最後に巻き起こった、物理学界を震撼させた大戦争の成り行きを「戦勝国の立場から」解説した本。実に面白かったと共に、もしホーキングが病に侵されず、戦時中にもその才能をフルに発揮していたらどうなっていただろうか…という無念にも似た感情に襲われる。優れた問い掛けこそが革新的な成果に繋がることを痛感する反面、これだけの成果をわずか20年でまとめ上げた著者ら反ホーキング派の底力にも恐れ入る。2013/04/18

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