ちくま新書<br> ドキュメント高校中退 ――いま、貧困がうまれる場所

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ちくま新書
ドキュメント高校中退 ――いま、貧困がうまれる場所

  • 著者名:青砥恭【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 筑摩書房(2015/07発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480065117

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内容説明

毎年十万人近い高校生が中退している。彼らの多くは貧しい家庭に育ち、まともに勉強する機会など与えられず底辺校に入学し、やめていく。アルバイトすらできず貧困状態へと落ちていく。いま、貧しい家庭からさらなる貧困が再生産されているのだ。「高校中退」を語らずして貧困問題を語ることはできない。

目次

第1部 高校中退の現実(底辺校に集中する高校中退 中退した若者たちに聞く 子どもの貧困)
第2部 高校中退の背景(なぜ高校をやめるのか 高校中退の問題点 就学援助から中退へ 終わりに―労働、地域、そして若者たちの生きがいを結ぶ教育)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

katoyann

23
高校中退の実態について、公式統計と若者へのインタビューに基づき、分析した本。2009年初版であるが、高校中退の背景にある貧困の問題や世界的に見ても最も高額と言われる教育費の問題も含め、現代も改善されていない課題が分かる。高校中退は筆者の見積では5%から8%にのぼる。多くは学業不振により高校を辞めていくが、日本社会では高卒資格が就労の最低条件とされていることが多く、中退した後の生活は悲惨である。つまり、その殆どが不安定な職を転々とする。中退の背景にあるのは貧困である。解決策は高校の義務教育化と教育費無償化。2023/03/11

ごへいもち

21
厳しい状況報告だった。子供達が本当にかわいそう。なんとなく感じていたことをきっちり本にしてもらった気がする。小学校に福祉的機能をという提案にも賛成。2011/12/14

まど

21
底辺校という言葉を耳にしたことはあったが、こんなに壮絶な状況になっていたとは.…。息子が小学校に上がる前に読むことができてよかった。自分も貧困の構成員と思っていたけれど、私の考えは甘かった。どうして貧困が問題なのかよくわかった。教育に関心のある方にお勧めします。2010/11/12

天使

15
貧困と中退は密接な関係がある、取材を通じ中退者の実態、日本の闇を垣間見る 底辺校の生徒の多くは意欲の低さや劣悪な家庭状況で学習についていけず、教師達は生徒の対応に追われ教育どころではない 中退後は肉体労働に従事する選択肢しか無くなり貧困が生まれる、底辺校の囲い込み政策や親の低学歴・能力により貧困の連鎖は続く 底辺校の生徒を罵る人間がネットでは散見されるがどのような環境で育ったかこの本を通読してから発言して頂きたいものだ、自己責任論で問題が解決すれば苦労はしない 職業中心教育、経済支援の充実等は必須だろう2020/01/08

スルメジャコフ

14
私は10年前に通信制の高校を卒業したが、当時の学校生活のことを振り返らずにはいられない内容だった。当時も周囲を見渡せば家庭環境に問題を抱えた人たちはいっぱいいた。そして、通信制を辞めてさらにドロップアウトしていく人たちのなんと多かったことか。彼らは今何をしているのだろう?人並みな生活を送れているのだろうか?そういった人たちを「努力ができない人たち」と切り捨てるのは簡単だ。筆者は、丹念な取材と分析で、高校中退と貧困(家庭環境)に相関関係があり、社会問題化しつつあることを説き明かしている。2009/11/24

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