幻の東京オリンピックとその時代 戦時期のスポーツ・都市・身体

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幻の東京オリンピックとその時代 戦時期のスポーツ・都市・身体

  • 著者名:坂上康博/高岡裕之
  • 価格 ¥4,400(本体¥4,000)
  • 青弓社(2014/07発売)
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  • ISBN:9784787220363

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内容説明

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1940年に開催が予定されていたにもかかわらず、38年に返上された東京オリンピック。「幻の東京オリンピック」の実態を、中止にいたる国際政治の力学、戦時下のスポーツ界の動向、都市開発の様子などを具体例に多数の写真・図版も添えて、多様な角度から照らし出す。

目次

はじめに 坂上康博/高岡裕之

第1部 オリンピックの政治的中立性!?

第1章 IOC会長バイエ=ラトゥールから見た東京オリンピック 中村哲夫
 1 招致過程
 2 準備過程
 3 返上過程

第2章 イギリス協調外交と東京オリンピック――「自然死」を待つ帝国 青沼裕之
 1 一九三六年ベルリン大会当時の言動
 2 一九四〇年大会のロンドン招致とその撤回
 3 東京オリンピックをめぐる論争とイギリス外務省

第2部 東京オリンピックの衝撃

第3章 東京オリンピックのインパクト――スポーツ空間と都市空間の変容 石坂友司
 1 オリンピックの招致と大日本体育協会
 2 競技場選定問題と都市開発
 3 オリンピック返上とスポーツ空間
 4 オリンピックが作り出した都市空間
 5 オリンピックによる国家的動員・組織化

第4章 二つの東京オリンピック――広告グラフィズムの変容とプロパガンダ 竹内幸絵
 1 オリンピック招致をめぐる宣伝戦――雑誌「NIPPON」第七号とオリンピック招致用パンフレット
 2 幻の東京オリンピックのグラフィズム
 3 進まぬ商業広告への写真利用――高コストという壁
 4 東京オリンピック返上と「写真週報」の創刊

第5章 アジアのオリンピック・東亜競技大会――紀元二千六百年の祭典 小澤考人
 1 東亜競技大会とはどのような出来事か――紀元二千六百年=一九四〇年六月の情景
 2 東亜競技大会はなぜ開催されたのか――出来事の出現に関与する力学
 3 紀元二千六百年の到来と東亜競技大会の構想――「体力向上」の祭典
 4 アジアの国際スポーツ競技会――「前史」としての極東選手権競技会

第3部 総力戦とスポーツ界/武道界、都市

第6章 大日本体育会の成立――総力戦体制とスポーツ界 高岡裕之
 1 日中戦争下のスポーツ界
 2 「新体制」期のスポーツ界

第7章 武道界の戦時体制化――武道綜合団体「大日本武徳会」の成立 坂上康博
 1 武道発展の「法則」――満州事変後の武道
 2 武道国策の樹立――日中戦争のインパクト
 3 新武徳会の設立――アジア・太平洋戦争の開戦とともに

第8章 標的としての都市――厚生省による運動施設拡充政策の展開 坂上康博
 1 運動施設拡充計画の登場
 2 計画の実施――一九三九―四三年
 3 綜合運動場の建設ラッシュとその背景
 4 数値目標の上方修正と運動場の増設
 5 戦時下における運動場の複合的な意義

第9章 都市の思惑――名古屋市瑞穂運動場の誕生 高尾将幸
 1 戦前期の公園事業
 2 「百万都市名古屋」を目指して――名古屋市の公園事業の展開
 3 都市の思惑――地方都市から見た「幻の東京オリンピック」
 4 厚生省の誕生と体力向上政策

第4部 統制と奨励の諸相

第10章 学生野球の国家統制と自治――戦時下の飛田穂洲 中村哲也/功刀俊雄
 1 野球統制令の制定と学生野球の自治の展開
 2 日中戦争下における学生野球の批判・統制と学生野球界の対応
 3 太平洋戦争下の学生野球の「官営」化と自治・擁護の主張

第11章 関西メディアと野球――戦時下の甲子園大会を中心に 西原茂樹
ほか