新外傷性精神障害 - トラウマ理論を越えて

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新外傷性精神障害 - トラウマ理論を越えて

  • 著者名:岡野憲一郎
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
  • 岩崎学術出版社(2009/08発売)
  • ポイント 28pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784753309085
  • NDC分類:493.7

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内容説明

定評の高い旧版に,DSM-III以来変化し続けた外傷理論の軌跡や今後の行方を示す論考を新たに加え,新たなパラダイムを提起する。
第3部第7章より抜粋■過去20年余りの間に生じた外傷の概念の変化は,外傷は人が不運にも遭遇し,必然的に外傷性精神障害を発症するようなものであるという理解から,実は多くの人に日常的に起きている可能性があるものという認識への推移であった。外傷とは,それに出会った人の脆弱性やその他の偶発的な要素により外傷性精神障害を招くに至ったものとして捉えなおすことができるのである。 このような理解の推移は,外傷概念の拡大や拡散であり,それが同時に曖昧なものになったとも言うことができる。外傷は人生のなかでさほど特異な出来事ではなくなり,PTSD等の外傷性精神障害には,そこに患者の側の脆弱性が関与した,いわば内因性の疾患としての性質を読み取ることも可能となったのである。さてここにレジリエンスの概念が登場する。ある程度深刻なストレスは,それに対する脆弱性を有する人にとっては外傷となる。それではその深刻なストレスをいわば解毒し,場合によっては糧にして成長する能力を有する人,つまりレジリエンスを備えた人にとっては,そのストレスはどのような意味を持つのであろうか? ところで私はこのレジリエンスの概念は,ある意味では外傷理論のかなたにあるものを指し示していると考えている。「誰がストレスに際して外傷性の反応を示し,誰がそうでないか」という問題を,より立体的に捉えなおすことをレジリエンスは可能にするのである。これまでの外傷理論は,人がいかに外傷性のストレスにより精神障害をきたすのかを明らかにすることに貢献してきた。しかしレジリエンスの概念が提起するのは,一般的に人はストレスに際して外傷性の反応をいかに起こさずにすむかという問題である。深刻な外傷性のストレスにさらされた場合にPTSDを発症する人々の割合は,14%程度と報告される。すなわち発症しない人の割合のほうが圧倒的に高いことになり,それを可能にするレジリエンスのおかげで私たちは健康を維持することができているのである。(岡野憲一郎)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ソーシャ

6
30年前に出た旧版から、外傷性精神障害についての知見をアップデートして、2009年時点での流れを解説した一冊。精神分析的な視点と精神病理学的な視点から、丁寧に論じています。この本が出てからもう15年になるわけですが、基本的なところはさして変わっていなさそうなものの、2025年現在の流れがどうなっているのかが気になってきました。2025/01/29

TsumuRi

0
レジリエンス。それを支えるものを獲得しようとする試み自体が人に手傷を負わせる場合があるのに、生き延びて平穏を手に入れるためにそれらが必要不可欠。なんというアンビバレンツ。2012/01/04

mocamoca

0
私の頭はこれだ。2011/09/12

0
精神分析寄りだけどそれが知りたかったのでちょうど良かった。他の事もちゃんと書かれている。2010/01/17

精神崩壊

0
外傷性思考→トランスダクティブな思考。 ステレオタイプな治療観→精神主義、禁欲主義。苦痛に耐える、健康度や成熟度が増すという考え方。 2025/01/03

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