内容説明
恋には二タイプあるそうだ。気付いたら落ちているタイプと、出会った瞬間、一発で落ちるタイプ。物心ついた頃から女子が苦手だった俺は、残念ながらその両方を経験することなくこの年まで来てしまった。「陽介は女の子が苦手だからね」傍らには、いつも通り親友の笑顔。だが、そんな日々が、ある日突然、終わりを告げたとしたら。「あ……あの、あんまり、胸とか、おしりとか、言わないで……はうう」「悪いけど、私、誰とも仲良くする気はないから」偶然がもたらした、二つの出会い。それが意味することは、何か。そして、解かれた想いのカナタにあるものとは―― ※電子版は文庫版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
空箱零士
7
★★★★ 普通に上手い人だなあ、と言う感じの安定型良作ラノベ。いわゆる並行世界的な構造で、それも相まってエロゲー度増。月真の序盤のウザさに目をつむればキャラもなかなかのハイレベル。特に御影ちゃんが大変ナイスです。端的に甘酸っぱい恋愛を書くのが上手いですよね。終盤のご都合主義に辟易している人がチラホラいるようですが、正直みんなハッピーになってる感じだし、まあいいじゃんって感じ。確かにバカ正直にエロゲ的構造をメタってる古臭さは感じなくもないけど、それも含めてオーソドックスなエロゲ的恋愛模様を楽しめる良作です。2015/09/29
KUWAGATA
3
嫌いではありませんが、少々物足りない印象でした。展開は先の先まであらかた予想がついてはいましたが、そこはまあ偉大なるマンネリズムということで許容することにします。ヒロインズがそれぞれ大変魅力的だったので、そこはよかったですね。お気に入りはもちろん御影ということで。2013/09/03
2
エロゲーにおける日常――カレンダー形式の進行と立ち絵の微細な表情差分によって着実に積み上げられるヒロインへの感情移入――がいかに優秀なシステムかを思い知らされる一作。/エロゲー風味なメタラノベとして最低限の構成は満たしている。たとえば、「世界とは何か」を問う「作者」のあとがきの更に後に挿入される、メタキャラによるネタばらし大会。大切なことはここに書いてある。/月真が最後まで男の娘のままだったら革命的だったんだけど、まあ名前からして無理ですよね。/先に『虚ろの箱と零のマリア』を読んでおけばよかったかな。2010/02/23
黒兎さなぎ
1
第一回GA文庫大賞優秀賞作品。二年以上の積読、ようやく読了。面白かったです。展開の読みやすい平行世界&ループものだったけど、王道ゆえのフラットさはキャラの掛け合いや可愛さできちんと補われていたと思う。親友の月真くんに関しては、最後まで「ホモォ……」のかほりを漂わせていただけに、実は女の子だったことにちょっとガッカリしてみたり、、、。でもそれならそうで月真の絵がすげぇ気になる! 御影とはやることやってたし、エロゲとしても成り立つなこれ。2013/09/08
ひかど
1
先の展開が分かりやすい多重世界を題材にした内容。話の展開が分かりやすかったのが物足りなさを感じましたが、その物足りなさをキャラの魅力で補っていたなと感じました。2011/10/12