ちくま新書<br> 国語教科書の中の「日本」

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ちくま新書
国語教科書の中の「日本」

  • 著者名:石原千秋【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 筑摩書房(2015/07発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480065124

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内容説明

「グローバル化」と「伝統重視」という相反する二つの流れの中で大転換期を迎える国語教育は、無意識のうちに「日本」という感性を押し付ける教育装置になってはいないか? 「古き良き日本」ばかりが描かれる小中学校の教科書をテクスト分析することで、書かれた言葉の裏に隠されたメッセージを読み解く。

目次

第1章 「日本」という内面の共同体(「日本」という枠組から見えるもの 「日本」はどのように姿を見せるか 空疎な「日本」/ねじれる「日本」)
第2章 自然を内面化すること―小学国語(動物は「他者」だろうか 小学国語にこそ哲学がある)
第3章 家族的親和性を内面化すること―中学国語(「似ている」ことを教える バラエティーがある小説群)
第4章 『国語教科書の思想』その後(なぜ「国語教育」は「道徳教育」だと言い続けるのか 自由に読むことと「気持ち」を問うこと)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マッキー

20
国語教育は道徳教育である、という主張をもとに語られる。国語教科書の教材になった文章に疑問点を投げかけ、メスを入れ、問題点や傾向を炙り出す。非常に面白く読めた。「高校までの国語では徹底して教師の求める答えを、あるいは試験の求める答えを、心ならずも言わされ、書かされてきた」これは国語だけにとどまらず、学校教育や集団の中で過ごしてきた我々が行動する際、常に根底に存在していたものかもしれない。何かを発言したり意見を言うときは「集団の答え」があり、それには絶対逆らうことは不可能なのだと私も考えたことがある。2017/03/17

そうたそ

17
★★★☆☆ 国語教科書の中の日本の姿とは。自分が学生の時には特に気にすることがなかったが、こうしてみると確かに異様なものであると思わされてくる。古き良き日本の押しつけのような思想が確かに存在しているんだろう。このあたりは日本の国語教育がまだまだ古くグローバル化に対応できていないということを如実に示していると言わざるを得ない。前半の概論的な部分はそういう面白さがあったが、教科書毎の特徴を論じる後半は現場の者でないとやはり疎いものがあり、なかなかピンとこないものがあるかも。2020/01/23

壱萬参仟縁

9
今でこそ10代の反省から本を多読しているが、正直いって、国語の成績には苦労した。あらゆる入試科目は大人のフィルター(価値観)で作成される。その意図に沿わないと国語では減点されていく。私が国語教師なら、教科書の作品も扱うには扱うが、子供が図書館で読んだ本をみんなに紹介して、それらについてみんなから質疑応答するような授業だと、大学のゼミのような基礎的学力が身に付くのではないかと思える。能動的国語授業が重要。受動的では真の学力はつかないだろう。2013/03/17

りょう

6
国語教育=道徳教育だという指摘とその論理には納得。教えられる側は教科書を批評的に読まなあかんですね。それを許す教師の存在も必要2018/02/20

Shun'ichiro AKIKUSA

5
あとがきで高校の国語教科書についても分析する予定とあるが、結局しなかった?のだろうか?(教えてください)2022/08/09

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