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内容説明
楢雄は頭も悪く,鈍臭く,ただ一つ蠅を獲るのが巧かった──.ずる賢く冷淡な兄,心根は優しいが強情な弟,身勝手でエゴイスティックな父,年とともに気弱になる母の関係を描いた「六白金星」のほか,大阪の庶民のねばり強い人生を描きつづけた織田作之助(1913-47)の戦後発表の代表作.(解説=佐藤秀明)
目次
目 次
道なき道
髪
表 彰
女の橋
船場の娘
大阪の女
六白金星
アド・バルーン
世 相
競 馬
郷 愁
二流文楽論
可能性の文学
《解説》可能性の「織田作」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
里愛乍
50
一流主義に対する二流主義。自らを二流論者と言う彼の小説は確かにどちらかといえばB級、正装して出向くナントカ劇場というよりは普段着OKな芝居小屋というようなイメージを持っています(個人的に)「一流」が定石で完全版で動かし難い位置のものであるならば、弱点だらけの「二流」はそれを晒すことによって無限の可能性を秘めている。昨今の「文学」と「エンタメ」についての論議を思い出した。自分が織田作を他の文士より気にかかっている理由が少しわかったような気がしました。2016/10/21
優希
39
大阪の空気が伝わってくるようでした、大阪の作家が愛した大阪がここにはあるのかもしれません。戦後発表された短編をおさめており、当時の良き雰囲気が伝わってきて面白かったです。2024/02/04
a子
15
お目当ての「可能性の文学」ほか「髪」「競馬」「世相」などなど小説も面白かった。メロドラマ風あり私小説風あり評論あり…織田作之助を堪能!古さを感じさせない読みやすさ。本の中でうごうごしてる愛すべきダメ人間たちに向けた視線が優しくて、なんかいい。自身と小説の可能性を模索し、様々な実験を試みた痕跡を感じる作品たちを残し、道半ばで散った織田作。長生きしてたらどんな小説を書いたんだろう。二流こそに広がる可能性。ニ流万歳!と叫びたい。2020/06/29
みか
14
『可能性の文学』織田作は、「外国の近代小説」は「可能性の文学」であると言う。「人間の可能性を描き、同時に小説形式の可能性を追求している」ことを評価している。「無限の可能性」を含むスタンダールやバルザックの文学に対して、「日本の伝統的小説は可能性を含まぬ」と批判する。「可能性の文学」とは「新しい文学」とも言い換えている。織田作は、「明治大正の作家が既に古典扱いをされて、文学の神様となっているのは、どうもおかしい」と疑義を呈し、当時の文壇における「志賀直哉礼讃論」を批判する。2021/05/17
由萌
12
可能性の文学において説いた、登場人物の未来に可能性を持たせるというのが、織田作の作風に通じていて納得させられた。 後書きに書いてあって気付くような、読者に気づかせない可能性を持たせていたのが良かった。 船場の娘、アドバルーンが印象強かった。2017/10/29




