内容説明
ロシア人看護師カーチャ・ペトローヴァはイタリアへ向かう飛行機の中にいた。機体がふわりと揺れるたび、おなかに感じる羽ばたきは決して気のせいではなく、小さな命が息づいている証だ。わたしの赤ちゃん……。思わず胸が熱くなる。込み上げる思いをカーチャは慌てて打ち消した。情が移らないようにしなければ。私に母親になる資格はない。だから今、子どもの父親に会いに行くのだ。まだ何も知らない、ベネデット・メディチ伯爵のもとへ。この子を彼に委ねられるかどうか、見極めるために。◆エイミー・アンドルーズによる久々の新作は、貧しい看護師と伯爵のシンデレラ・ストーリー。カーチャが頑なに子どもを拒む理由とは？ プレイボーイの仮面を脱いだ伯爵の素顔は？思いがけず芽生えた命は、二人をつなぐ絆になるのでしょうか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アクアマリン
2
ロシア人のヒロインは珍しい。看護師とイタリア人ドクターで伯爵のヒーロー。ヒロインは、育児放棄の母の代りに姉妹を育ててつらい少女時代を送った。妹の火傷の責任を感じ負い目になっている。現実的な考え方。ヒーローは、兄に婚約者を取られた。10年間疎遠。交通事故で2人が亡くなった。いろいろあったが、妊娠からのゴタゴタ。素直になれない。イタリアの綺麗な景色の描写が良かった。2020/05/06
こえん
0
ヒロインは、育児を放棄したシングルマザーの母に替わって、8才の時から弟妹の世話をしていたロシア人看護師。ヒーローは、10年間にわたってわだかまりを抱いたままの兄たちを、事故でなくしたイタリア人貴族の医師。たった一度関係をもった後に妊娠が分かり、ヒロインが訪ねていくところから始まるお話だけど、なぜそういう設定にしたの？…というくらい設定を活かし切れていない、どこの線をたどっても中途半端。そのせいか、設定も展開もこれといって難点はないのに、イマイチという気がした。2010/04/11
みろん
0
良い母親になれないと悩んでいる看護師の妊婦と、その彼女を身篭らせたイタリア貴族の医師とのロマンス。ヒロインは小さい頃から自堕落な母に苦しめられてきた薄幸の女性。お腹の子供との触れ合いとかすごくいい場面もあるんだけど、こんな設定のわりにどうにもスキっとしない読後感…。2009/10/25
Mari
0
★☆2009/09/02
