内容説明
悲観しているだけでは何も変わらない。目を凝らせば、日本の中にも希望はあるものだ。出生率を劇的に向上させた長野県下條村、「あるもの探し」で活気を取り戻した宮崎県児湯郡、社員と地域の幸せを徹底的に追求し続ける伊那食品工業……。共通しているのは、社会を蝕む「強欲」を退け、お金には代えられない価値を守り続けていることである。画期的な取り組みを続ける地方を訪ね、「日本のこれから」を考える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あちゃくん
74
この本で取り上げられている、サムハルや伊那食品工業は素直にすごいなと思いました。資本主義を真っ向から否定するのではなく、歪が生じる部分をどう補完していくか、いろいろ考えないとだよなと感じました、2015/08/22
さきん
25
人々が物的、精神的に豊かに暮らしていける社会は何かということを、様々な事例を挙げて紹介する。長野県山村における若者を自己資金で誘致する試み。鍋つくりで隣町と交流を深める、川上は林業で、川下は水環境として森林資源を守っていく、障碍者でも働ける環境を整備する国有企業の試みなど。2018/03/18
けんとまん1007
21
言い古されている言葉ですが、「あるもの探し」の視点。それまでの見方を、変えてみることから始まる。伊那食品工業さんは、以前から知っていた。そこでの失敗例が、とても心に響く。そんなところを、最近、実感しているからだ。年輪のごとく、地道に成長を続けることからくる強さこそ、本物だろう。それと、サムハル。あまりに、凄すぎてというのが本音。その人ができることから、仕事を探し作る。ただし、そこに甘さは全くないのが凄いのだ。悪い意味の情けはない。それ以外のものも、なるほどなあ~と思う。2015/12/18
だいごろ
4
出生率2.04を達成した長野県の村や、高収益を実現している障害者企業サムハルなど、いま日本が抱えている社会問題を解決した成功例が紹介されている。どんな社会にも、どんな組織にも問題はあるが、それを解決するにはどうすればいいか、ヒントになる事例がいくつもあり参考になった。特に第一章はリーダーシップについても「なるほど」と思わせる内容だった。2009/11/06
壱萬参仟縁
3
伊那食品工業などの身の丈に合った方法での永続経営を各地の事例を通じて理解できる好著。2012/04/11