内容説明
個人化や私化が加速度的に進み、流動性・不確実性が高まった時代=ポストモダニティ・リキッドモダニティとして現代を把捉するバウマン社会理論の核心とは何か-。バウマンが道徳や倫理などの概念を見つめ直して連帯の新たな可能性を探っており、公共哲学としての社会学を構想していることを、著作をたんねんに読み込んで論証する。
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目次
まえがき
第1章 ポストモダニティ・道徳・デュルケム
1 バウマンとは誰か
2 ホロコーストと近代
3 モダニティからポストモダニティへ
4 ポストモダニティと倫理・道徳
5 バウマンのデュルケム批判
6 バウマン道徳論のスタンス
7 バウマンとデュルケム
8 倫理と道徳
第2章 道徳と政治のあいだ
1 モダニティ/ポストモダニティ、あるいは、倫理/道徳
2 「他者とともにあること」と「他者のためにあること」
3 道徳と政治のあいだ
4 道徳を拠点にした社会批判の可能性
第3章 道徳論の解釈をめぐって――批判的検討
1 シリング=メラーによる解釈
2 ユンゲによる解釈
3 シリング=メラーの社会学史理解
補論 〈公共哲学としての社会学〉へのいくつかの途
第4章 政治と個人
1 コミュニタリアニズムへのアンビヴァレンス
2 “政治を求める”個人
3 私化、あるいは政治の不在
4 道徳的社会学の構想
第5章 道徳の理論と社会の理論
1 問題の所在(1)
2 いくつかの事例
3 贈与論の立場から
4 問題の所在(2)
5 可能性としてのグローバリゼーション
6 〈社会学の野心〉
付論A 制度と社会学――デュルケム=ベラーの系譜から
1 問題
2 転換期と制度
3 リベラル/コミュニタリアン論争と制度
4 制度批判と公共哲学としての社会科学
5 現代社会理論と制度
付論B 社会批判の二つの形態――デュルケムとの関連で
1 デュルケムの社会批判のスタンス
2 内在的社会批判と外在的社会批判
3 内在的社会批判の理論的根拠
終章 バウマン社会理論と個人の道徳性
1 〈希望のユートピアン〉
2 バウマン社会理論と個人の道徳性との関連
3 バウマン/デュルケム
あとがき