講談社学術文庫<br> ナポレオン フーシェ タレーラン 情念戦争1789-1815

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講談社学術文庫
ナポレオン フーシェ タレーラン 情念戦争1789-1815

  • 著者名:鹿島茂【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 講談社(2014/12発売)
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  • ISBN:9784062919593

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内容説明

1789年の大革命から1815年のワーテルローの戦いまで、ナポレオンの熱狂情念が巻き起こした相次ぐ戦争による混乱と怒濤の30年。この偉大なる皇帝の傍らに、警察大臣フーシェ=陰謀情念と外務大臣タレーラン=移り気情念なかりせば、ヨーロッパは異なる姿になったにちがいない。情念史観の立場から、交錯する三つ巴の心理戦と歴史事実の関連を丹念に読解し、活写する。(講談社学術文庫)

目次

序 すべては「情念」に始まる
第一章 欲望と悪徳の王国
 タレーランの悲惨な少年期/フーシェの凡庸な少年時代/「売国奴の息子」/タレーランの快楽生活/革命は官能を解放する/フーシェ、いよいよ立つ/運命の岐路/「私欲」と「公益」の幸福な結婚/リヨンの虐殺者
第二章 情念が歴史を変えた
 若き最高指揮官の「敵」/王妃様よりすごい女/恐怖の連帯/タレーランの賭け/バラスという結節点/熱狂情念VS.浮気情念/タレーラン、ナポレオンと出会う/エジプト遠征という「夢想」/無血クーデター
第三章 熱狂皇帝、ヨーロッパを席巻す
 フーシェ機関/「諸君、革命は終わった」/マレンゴ/フーシェ、「失職」する/熱狂情念は「帝国」を目指す/アンギャン公銃殺/アウステルリッツの誤算/ポーランドからの「贈り物」/タレーランの決断
第四章 誰がナポレオンを倒したのか
 タレーランとフーシェの無言劇/得意の絶頂、破滅の始まり/皇妃問題を巡る暗闘/「愛さずにはいられない」/モスクワ──悪魔の誘惑/終わりの始まり/ライプティッヒの悲劇/自滅への道/タレーラン、動く/パリ陥落/帝国の落日/「さらば、古き戦友たち」
第五章 情念戦争の「大いなる遺産」
 ジョゼフィーヌ死す/エルバ島脱出/三度目の警察大臣/ワーテルロー前夜/「大文字A」の戦い/六月十八日/陰謀情念の勝利/鼠取りの悲劇/セント・ヘレナの落日/そして情念は死なず
あとがき
年 表
参考/引用文献一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

124
哲学者フーリエの幸福論をベースにするが、三人とも余りに怪物すぎて初め戸惑った。僧侶の仮面を被ってひらりひらりと変節に生きる快楽主義者タレーラン。常に目立つ事を避ける冷酷な陰謀家フーシェ。周囲を巨大な熱狂に巻き込み皇帝に登りつめていくナポレオン。本書は彼らの活躍だけでなく、セックスから悪事や自己欺瞞に至るまで人間性を露出させながら、その情念を時代に屹立させる。三者三様の幸福を求め、時に敵対し時に利用し合う虚々実々の駆け引きから目が離せない。実生活では近づきたくない面々だが、情念だけ取り出せば幸福論たりうる。2019/12/12

ばんだねいっぺい

30
表題のとおり、ナポレオン、フーシェ、タレーランの3on3のデッドヒートが繰り広げられていて、抜きつ抜かれつ最後まで目を離すことができない。結局のところ、どの立ち位置でも、安穏とはできないようだ。2023/10/02

A.T

18
フランス革命〜恐怖政治〜ワーテルローの会戦の1789〜1815年をキーパーソン3名を中心に解説。マルクスにユートピアの概念を与えた19世紀フランスの思想家シャルル・フーリエによる人間解放13の情念になぞらえ、「ナポレオン=熱狂の情念」「警察大臣フーシェ=陰謀情念」「外務大臣タレーラン=移り気情念」の思い切りパッションを追求できた時代が混沌の大革命以後だという。3名が噛み合ってあの時代が到来したといえば、明治維新の3傑西郷隆盛・大久保利通・木戸孝允にも通じる、大物のドラマだなぁ。面白い、わかりやすい視点。2022/12/30

ロビン

17
熱狂情念のナポレオン、陰謀情念のフーシェ、移り気情念のタレーランと三者三様の情念をもつ天才たちがフランスを舞台に三つ巴の闘いを繰り広げるさまは、面白いの一言。自分の思い描く世界を実現するため、互いを知り尽くした三人が権謀術数の限りを尽くして駆け引きする。タレーランは私利をしっかり確保し享楽するが公益も考えるし、平和の価値を知っている抜群の外交家で、この三人の中では一番推せる。ナポレオンは最後まで諦めないメンタルの強さは凄いが、戦争を生きがいにし過ぎ、兵士の犠牲を顧みない点が普通人からすると恐怖である。2025/05/20

sibasiba

13
表題の3名を主軸に激動期を縦横に描写した快作。読み物として非常に面白いのだがバランスが悪く、キーワードとして強調したいのか情念という単語が濫用されて鬱陶しい。にしても誰々の愛人で同時に誰々の愛人なのが普通でさらりと姪を愛人とかフランス人は愛に生きてるなと嘆息。大昔に読んだ藤川桂介の『幻想皇帝』の主人公のモデルってフーシェなんだなって唐突に思い出す。ロベスピエールの妹とのエピソードや醜い女を妻としてとか。2015/12/24

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