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内容説明
宮中儀式をさぼった言い訳、任官の口利きの依頼、舞姫の噂の真偽の問い合わせ――。実在した名門貴族の御曹司たちが書いた手紙を通して、優雅な人柄と思われがちな御曹司の人間くさい実像を明らかにする。
※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫暗
4
著者特有の少々大仰な言い回しはあるものの、当時の貴族達が書いた手紙がそのまま引用されており、文学の中にいるキャラクターではない、実際の貴族の姿が垣間見えました。2010/01/31
mimm
3
平安貴族の漢文書簡を読み下し、更に現代文に訳して解説。物語の登場人物とはまた違い、現実的で人間くさい貴族の姿が見えてとても面白かった。ぜひ他の著書も読んでみたい。2011/02/13
ことらいおん
3
平安貴族たちは手紙の中で必ず謙遜するのに、肝心の内容は「仲間外れにしないで〜」「あなたの和歌を使わせて!」「昇進したいの!」と人間臭くて面白い。やっぱり物語と現実じゃギャップがあって、アイドルみたいな貴族は少ないのだなぁと。ときめいた手紙が2通あった。端午節の薬玉のお礼の和歌を添削してほしい権左中弁の手紙と終章の新しく頭中将になった若者のやる気のみなぎった清々しい手紙。こんな素敵な手紙を貰ってみたい(笑)2011/01/20
いせん
2
図書館。著者つながりの3冊目。今回は藤原明衡が編纂した200通以上の書簡を集めた『雲集消息』について。現代文、解説、原文、読み下し文の流れで様々な場面で出された書簡が紹介されている。物の貸し出しを依頼する手紙や、人間関係の悩みなど、時代こそ変わっても人が集団で生きていくと生じる悩みというのは変わらないものだなぁと思った。和歌の代作を頼む手紙と扇の調達のために絵師の紹介を依頼する手紙は興味深かった。才能ある人、ない人の悲喜こもごも。その後が気になります。2014/06/30
kinaba
2
☆ 『かぐや姫の結婚』が良かったので著者買い。これまた面白かった。今回は『雲州消息』…これは王朝時代の書簡例文集みたいな位置づけの資料なのかな、この文献一つに絞って、手軽に興味深く思えるところをじっくりと抜粋して見せてくれるの、こういうのこそプロの仕事だと思う。よくある、何百もの資料から切って貼って寄せ集めて歴史の真実はこれだ~とかいうのではなくて、ですね。当時の貴族のいろいろな生活の側面が垣間見えて楽しい。2014/01/22