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内容説明
弓を射れば神業に近いと人々を驚嘆させ、奥州に起こった二度の兵乱――父・源頼義に従って戦った前九年の役、自らが陸奥守として戦いの指揮をとった後三年の役――で名を馳せた八幡太郎義家。その活躍は「武家の棟梁」としての源氏の名を東国武士の間で高め、鎌倉幕府以降の「武士の時代」へ向かう流れを生み出した。「天下武勇第一の士」と讃えられた武神・源義家の生涯を描く力作長編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MIKETOM
5
名前はよく聞くけど実際には何をした人なのかよく知らなかった。ざっと説明すると、前九年・後三年の役で活躍した人。しかし、名声が高まり過ぎて白河法皇に警戒され逆に冷遇されてしまい、不遇のまま最期を迎えた人。ただし、貴族政治の勝手さに各地の武士たちの不満が高まりやがて武士の台頭を許してしまうその起爆剤になった人って感じだろうか。それにしても、露骨な言いがかりで滅ぼされてしまった安倍一族も悲惨だが、最終的にあの地を支配したのが安倍氏の末裔ってことで因果はめぐるのかな。ちなみに、後三年の役の時に、食糧調達時に→2019/11/02
BIN
2
平安時代の公卿に翻弄される源義家を描いた作品。「炎立つ」での黒すぎる源頼義ではなかった(思いっきり灰色でしたが)。藤原経清があまり出て来なかった。義家は名将というより、弓の達人という程度に感じた。相変わらずの公卿共の陰湿さには嫌になる。一番面白かったのは、幼少の頃の祖父頼信との修行のシーンでした。2013/04/27
ヘムレンしば
1
中央の貴族政治に対する地方の不満。土地問題を武力で解決する武士の台頭。最初は平将門あたりのなるのだろうけど、朝敵になってしまったから、武士の祖として源義家がなったといった感じかなぁ。時代の大きな変化を予感させる内容でした。2020/08/22
なわ
0
政治の形は時代とともに移り変わるとしても、民を国を本当に思う者こそが、政治を行わなくてはならないという思いを新たにした。2009/09/12
maito/まいと
0
都の情勢に振り回される東国の武士の心情や、己の道を切り開こうとする雰囲気など、当時の時代背景が読者に迫ってくる一冊。弓を道具ではなく己の鏡として扱うなど、武術ではなく武道としての要素も盛り込まれているのが印象的でした。2010/02/23