内容説明
晴海埠頭で人気作家の遺体が発見された。それに続き、鬼怒川温泉で作家の若い愛人の殺害遺体もみつかる。事件の捜査に当たった十津川は殺害された作家が小説誌に寄稿されたとされるミステリー小説のストーリーをなぞっていることに着目したが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ビスコ
2
先生らしい、バラエティ溢れる短編集。「鬼怒川心中事件」は、冒頭から謎に引き込む手腕が絶品。「死を運ぶ特急谷川5号」は倒叙モノのシンプルな時刻表トリック(と、いうほどでもない)。なお、歌野晶午の某作にも没ネタとして同じトリックが出てくる。「恋と幻想の上越線」は、タイトルと裏腹に鉄道色はほぼ皆無だが、先生としては正統派とも言える。「ATC作動せず」「死への近道列車」はどちらもタイムリミットサスペンスの強い作品。「死への~」の構成はお見事と言いたくなる。2014/03/27
ディープなつまみぐい
1
短編集5編。安定した作品、旅情ミステリーは楽しく読める。2020/03/17