内容説明
運動も勉強もできず、落ち込みがちな高校生の勝。運動音痴から「うんちゃん」とあだ名され、同じ高校に美しい妹が入学してからは変に目立って、ますます死にたい毎日。そんな中、詩を書く柔道部の男子と親しくなり、彼の幼なじみである、髪の長い女子柔道部エースに恋してしまう。なぜか運動部にも入部するハメになり、学校生活は予想外の方向へ――。笑えて元気が出る青春小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
86
実話のような作り話。または作り話のような実話。読ませるために書かれた話だけあって読みやすかった。2015/10/17
ひめありす@灯れ松明の火
50
青春だな、若いな、って思うときの臭い。むわっとする雨上がりの草むらの臭い。成長する密やかな性の臭い。発散しきれない熱と、ぐだぐだと心の奥にたまっている鬱憤と、熱量多めの水分が発する、青い青い春の臭い。それを持っているのは、睫に何本もマッチが乗っかってしまいそうな女の子ではなく、日の光に焦げた男の子でもなく、教室にいるのがよく似合う、むっちりと肥えたかさかさと乾いた肌の、瞳の奥にはち切れそうな自己意識を湛えた昏い光を宿す、どちらかと言えばあまりいけてない子ども達なのだ。【時差】少し足して【自賛】してみよう。2012/10/24
おかむー
49
極度の運動音痴のため「うんちゃん」とあだ名をつけれられた高校2年の主人公・川入勝が、劣等感と自意識過剰からなんとなく“死にたい”という思いをかかえつつ過ごす高校生活をうんちゃんのモノローグの形で描いた青春物語。『可もなし不可もなし』。序盤はうんちゃんの捻れを隠した卑屈さにひっかかりつつも、友人・宇佐田とのどこかズレたやりとりでユルく話がすすむのだけれど、中盤からの状況の変化で隠したねじれやドロドロが表面化してゆく様子が実に痛々しい。終盤のアレコレで青春小説らしくうまいこと収まってゆくことで結果オーライかな2014/08/14
ふみ
40
山田詠美のパロディと思えないこともないけど、主人公の素直な屈折ぶりが可愛い。モテそうにない男子がもて始めて楽しい。そこはかとなくただごと歌の空気が漂うのも楽しい2017/09/15
ペコ
25
中高生向けの作品だろうから物足りない感じもあるけど全体的には悪くなかった。主人公は軽々しく死にたいってすぐ言うのが気に食わなかったけど最終的には俄然前向きになったから良かった。イツキ君や宇佐田君のキャラが良かった。この作者はどうやら『ショートソング』という作品が人気あるみたいなんで次はそれを読みたい!2016/07/09




