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内容説明
ベルリンの壁の崩壊後、世界を席巻した「市場主義」。だが、経済格差や環境破壊を引き起こすなど、欠陥を露呈している。本書では、市場主義の源流に位置するフリードマンの経済思想を、同時代の証言を交えて読み解き、その功罪を明らかにする。第二次大戦後、彼らが勢力を拡大した過程を辿る一方、アメリカの経済思想の多様さにも注意を促す。
目次
第1章 フリードマンの孤独な闘い-主流派経済学に抗して(「選択の自由」を訴え続けた経済学者
歴史の長い貨幣数量説 ほか)
第2章 静かなる時流の変化-「市場の失敗」から「政府の失敗」へ(『経済分析の基礎』
ベトナム戦争 ほか)
第3章 シカゴ学派の勝利?-ベルリンの壁の崩壊(社会主義の崩壊
シュンペーターの資本主義衰退論 ほか)
第4章 フリードマン以前の「シカゴ学派」-F.ナイトの「適度な懐疑主義」(「偉大な新古典派経済学者」ヴァイナー
ダグラスとシュルツ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風竜胆
9
著者はいう。「経済学の考え方は唯一無二無二のものではなく、多様であるからこそ価値がある」多様性を認めようとしない偏狭な思想は、経済学に限らず独善的で危険なものだ。私たちは、多様性を尊重しながら、状況にもっともふさわしい解を選択しなければならない。 2013/09/20
KAZOO
5
根井さんの新書の本の中ではかなり硬派に入る本です。基本的な経済学を一通りやってきた方ならすんなりと読めると思います。市場主義への警鐘を含めて理論的な再確認ということだと思います。2013/07/28
ぽん教授(非実在系)
4
経済学はあくまで複雑な現実を分析するための手段であり、モデル化という名の捨象をする以上こぼれおちる現実が存在し限界がどうしても存在しうる。という当たり前のことをしっかり認識している点は好感できる。しかし、市場主義それ自体の功罪を語るよりフリードマン周囲の思想史と学説史の側面が結構強く詳しくないと難しい印象。 付録の経済理論の解説は、それ自体役立つものの、解説理解のために経済学の教科書が必要になってくるだろうとは感じた。2014/05/26
ステビア
4
「シカゴ学派」のまわりをグルグル回るエッセイ。2013/07/24
H2A
3
フリードマンが代表する「マネタリスト」と、彼らを中心に戦後アメリカ経済思想の変遷を説いている。題名と内容は大きくちがう。著者の他の著作はうまくまとまっていたが、この本は分量も少ないわりに焦点もぼけている。それに経済学界の内幕にも多くの頁を割いている。個々の話題はエッセーのようにともかくさらっと流しているようだし、全体としてもちょっと残念な内容。「市場万能主義は終わった!」と感情的にまくしたてられるよりはマシかな。2012/05/12
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