一迅社文庫<br> 勇者と探偵のゲーム

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一迅社文庫
勇者と探偵のゲーム

  • ISBN:9784758040822

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内容説明

戦闘美少女な疾風寺舞と、ひょんなことから彼女と出会った平凡な高校生・吉永朔が、邪神を復活させようとする高校生たちと戦うというありがちなライトノベル――それが傍観者であり、記録者である“ぼく”が記録する物語……のはずだった。“ぼく”は、ある狂った街で起きた、狂った事件の、狂った顛末を、ありのままに記録する。この記録を読んでいる君に願う、どうか憶えておいてほしい。これは記録だ、物語なんかじゃない、絶対に。――『ぼくらの』コンビが贈る“非”正統派ライトノベル!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

coco夏ko10角

29
小説『ぼくらの』コンビということで内容を全く知らずに手に。7本目から引き込まれ、読み終えて成立させるのがとても難しい内容だと。それをちゃんと作品にしてるからすごい。2016/09/25

緋莢

13
悪の怪人、怪獣、超獣が襲ってきて、密室殺人や連続殺人が毎日起こっている、とある街。それは、〝日本問題象徴 介入改変装置”があるためだった。この装置により、怪人などを勇者が倒し、名探偵が事件を解決すれば、日本で起きている首相公選制の導入やマイクロウェーブ発電システムの実用などの問題が解決される。そんな中、一人の少女が屋上から落下して、死亡し…(続く2022/03/06

臓物ちゃん

7
「特権的な死とはあくまでも現実で日常にある、穏やかで威厳に溢れた死だ。誰もおかしなトリックを使われて殺されたいとは思わない。(中略)本物の特権的な死というのはあくまでも自分の死を死ぬことである」(舞城王太郎『九十九十九』より) 物語の世界のモブキャラたちが、事故死した同級生に「特権的な死」を与えるために物語を捻じ曲げる、メタラノベ不朽の傑作。これは…最高だッ!ラノベ批評本でその存在は知っていたものの絶版のため読めずに悶絶してた本作をようやく発見。『レッドスーツ』をよりダーク&ビターにした感じがたまんねぇ!2017/10/01

訃報

7
アイディアはSFとしても文学としてもすごく面白い。人間が象徴として物語に消費されていく世界。こうした問題意識はたぶん、ラノベに限らず現代の小説が考えなきゃならないことで、つくづく真面目な、悩んでる作家だと思う。彼女の死を意味づけるため物語にこじつけようとする。遺された者にとって死を物語にするのが救いになるという、普通肯定的に信じられていることがものすごくおぞましい。「これは記録だ。ぼくは物語なんて書くつもりはない」と語り手が宣言してる割に記録っぽく書く努力が全然されていないのはどーなのと思ってたらラストで2014/03/15

1_k

6
すべてのラノベを凌駕した、いやノベルゲーやアニメを含めたサブカル系全て引っ括めても最上位に来ておかしくない傑作。これと並び立てるのは、田中ロミオ先生のクロスチャンネルくらいでしょうか。メタネタという同種の切り口ではハルヒがありますが、あちらはエンタメ性を前面に出して逃げをうってしまったのに対し、こちらは徹底的に読者を抉り込んでくるような志の高さ。最後の一行まで魂がこもっている。それを支える構成文体演出ネタといった技術面でも一級品。同時代性、社会的な考察と掘り下げ、作品への盛り込みは感動的ですらある。2012/05/02

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