内容説明
「がん」の告知は、ある日突然やってくる。その時、心の中でどんなことが起こるのか。「心の危機」をどうやって乗り越えればいいのか。本書は、ある日突然ステージ4のがんであると診断され、当事者としてがんと向き合うことになった現役の臨床心理士が、自らの体験と心理カウンセリングの技法を駆使して、がんになっても前向きに生きる気持ちを失わない方法をわかりやすく解説する。患者の立場になった著者がまず思ったことは、「自分はすぐに死ぬのではないか、という恐怖に対する応急手当が必要」ということである。「どんな小さな情報でもいい、今の心の苦しみから抜け出せるヒントが欲しい」「ひと時の間でも安らぎを得たい」――告知後のがん患者の本当のニーズに応えるために、心の危機を脱する「一人カウンセリング」のやり方や、気持ちの切り替えに役立つちょっとした行動をアドバイスする。本人と家族の立場から、がん患者の心をサポートする本。
目次
第1章 心の中でこんなことが起こる
第2章 心の中にあることを話そう
第3章 正しいことよりも楽なことをしよう
第4章 心の元気を取り戻す「一人カウンセリング」の技法
第5章 気持ちが安らぐ「一人カウンセリング」実践法
第6章 気分が明るくなるちょっとした行動
第7章 家族へのアドバイス
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まろ
1
つい最近身内ががんの告知を受けたので、本人の気持ちが少しでも分かればと思いこの本を手にとった。 臨床心理士ということもあってか、この方はものすごく自身のことを冷静に考えることができているなと思った。 強い自分と弱い自分を対話させて、それを冷静な自分が聞いていて何か言う「一人カウンセリング」という方法は、できれば是非告知を受けた本人に知らせたいと思った。 和田さんのその後はどうなったのだろう。2020/08/14
カラ崎検査官
0
ターミナルケアなどでガン患者のケアをしている臨床心理士の著者の経験の話かと思いきや、著者自身がガンの当事者となり、その経験のお話…ということで虚を突かれた。援助者でありながら当事者でもあるという目線での内容は新鮮だった。ただ、著者の実践はある意味、その道のプロだったから成功したかもしれないが、実際に心理援助の技術を持たない一般の人々が、はたしてこのようなプロセスをどこまでたどれるのかは疑問が残る。2013/03/30
みき
0
経験者だから語れる、無理しないやさしいアドバイスです。2012/04/10