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内容説明
日本社会を支えてきた諸制度が根底から揺らいでいる。こうした混迷の時代だからこそ、しっかりとした「知」が求められるが、あふれる情報の中、適正な競争のもとで正しい情報が残るのではなく、メディアで露出度の高い者が声高に主張する空疎な意見がまかり通る。そんな危機的な状況の中、我々が生きる社会の現状あるいはその来歴をきちんと理解し、未来への展望を正しく切り開くための「知」を提供することに、本書の使命はある。
目次
1 「経済学っぽい考え方」の欠如が日本をダメにする(飯田泰之)(エコノミストの思考法へ マル経王国の残滓 ほか)<br/>2 ニッポンの民主主義(吉田徹)(研究テーマはフランスとヨーロッパ政治 セミナーのモチーフ ほか)<br/>3 教育・労働・家族をめぐる問題(本田由紀)(社会の変化 家族と教育をめぐる分断 ほか)<br/>4 日本ならではの「再帰的不安」を乗り越えて(鈴木謙介)(不安にとりつかれた現代 現代は「新しい時代」なのか ほか)<br/>5 誰もネオリベラリズムを全面否定できない(橋本努)(ネオリベラリズムの歴史的背景とリバタリアニズムとの差異 ネオリベラリズムとは何か。その乗り越え(不)可能性 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じょに
4
シノドス取ってるのに買っちゃいました。橋本努がやっぱ強い。内容はこれまでの著作で自分がやろうとしたことの紹介と、『帝国の条件』の論旨の明快すぎる要約。ネオリベラリズムの強みと、その限界。煽りとしか思えない質問もイイ(笑)2009/06/01
takizawa
3
シノドス・セミナーの厳選版。創設期特有の,やる気に満ち溢れた空気が清々しくて良い。人の知的好奇心に着目して1つのビジネスモデルを立ち上げたところがシノドスの素晴らしいところ。厳選版だけあってテーマは多岐にわたる。レベル的には現代思想に興味を持ち始めた学生が読むのに適しているかな。私が面白いなと思ったのは本田由紀さんの議論で,上位校の落ちこぼれよりも中下位校のトップのほうが自己肯定感が強いというくだり。何を幸せと考えるか自分で決めないといけない現代社会において,ヒントが得られるのではないか。2012/03/17
ペールエール
2
メディアでも、雑誌でも今論壇を支配しているのは「ビジネスマン」にカテゴライズされる人ではないか? アナリスト、コンサルタント、○○アドバイザー。 そんなビジネスの世界とは別の場所で、学問の場所で、思想の場所で、どのような議論がなされているのか。 その別の場所、への扉をあけてくれるのがこの1冊。 現代社会では教養の欠落、というのが叫ばれて久しい。 では教養とは何か? これからその定義はどう変化していくのか? 「考えるための教養」を身に付けるには最良の本。 2014/04/13
shiorist
2
小規模な議論ばかりで突き抜けた感が乏しいかも。2009/10/04
yamikin
2
橋本努氏に興味あり。ネオリベ批判から生まれる下部構造のカウンターカルチャーはネオリベに回収されるという論理、脱帽。ただ社会的包摂性を前提にしているイギリスのサッチャリズムの言及は今回の文章にはなかったかな。2009/09/29