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内容説明
誇りと喜びにあふれて首都の神学校に入学したハンスがそこで見いだしたものは,詰めこみ主義の教育と規則ずくめの寄宿舎生活であり,多感で反抗的な友人の放校であった.疲れ果てて父の家に戻った彼は機械工として再び人生を始めようとするが…….重い「車輪の下」にあえなく傷つく少年の魂を描くヘッセの永遠の青春小説.
目次
目 次
第 一 章
第 二 章
第 三 章
第 四 章
第 五 章
第 六 章
第 七 章
解 説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめか*
53
なんか重々しいなぁってつっこみたい笑。いちいち深く考えすぎ。文豪の文学作品は日本人も含めてそうだけど、悩みもがいて生きている物語が多く、作者自身が反映されてるよね。でも悩みすぎで私はこういう人付き合いきれない笑。ヘッセには多くのファンがいて、この作品を読んで共感し勇気をもらったと手紙を送る人も多かったという。”大人の無理解、利己主義という残酷な重たい「車輪の下」であえつづけながら、その圧力に潰されてしまう少年の運命”友達もいなくなるしエンマにも騙されるし踏んだり蹴ったりの人生。最後の締めも苦しくて重い…2015/07/20
金吾
36
かなり悲惨で考えさせられる話です。早熟で真面目で努力家という人はままいると思いますが、何をもって歯車が狂っていくのだろうと考えます。試験受かった後の魚釣りの場面が印象的でした。2021/11/18
Kiyoshi Utsugi
35
ヘルマン・ヘッセの生まれた地方であるシュヴァルツヴァルトの小さな街に生まれたハンス・ギイベンラアトは神童で、首都の神学校を目指します。 入学試験の成績は、全体で二番目という立派な成績でした。 ところが、神学校に対して反抗的なハイルナアが放校となって、友情を引き裂かれるなどあって、ハンスはボロボロになって生まれ故郷の父親の元に戻ります。 ただ、出直そうとした矢先、酒に酔って自宅に帰る途中、川に落ちて溺れて死んでしまうという結末を迎えます。 「車輪の下」であえぐ傷つきやすい少年の気持ちをうまく描いています。2021/06/24
Willie the Wildcat
31
原作は50年以上まえであるが、現代にも通じる多感な少年・青年期を感じた。気が付いたときには自分とは異なる自分を追い求め、自覚しないうちに自分を追いつめる。環境もそれに追い打ちをかける。生死、友情・愛情が精神的な岐路となる点。正解の有無は別として、現代の子供の育て方を考えさせられもした。社会学、哲学など様々な面で感じることが多い。著者自身の体験とも言われる点が少し哀しい。そういえば、「朝食のコーヒーと砂糖一個」は当時のドイツの食生活なのかな・・・。2011/11/25
ソングライン
26
神学校への入学試験に2番で合格するハンス、教師と父親の期待を一身にうける優等生が初めて経験する個性あふれる生徒との共同生活。親友となる文学青年ハイルナアとの友情と裏切り、同室の生徒の突然の事故死、次第に学問に興味を失っていくハンスはハイルナアの退学と共に、精神を病み故郷へ帰ることに。人生という荒野に出たばかりの若者が友情に悩み、生の儚さに戸惑い、周りの期待に押しつぶされていく。疲れ果てたハンスに救いはなかったのか、青春を悩むハンスに激しく共感です。2021/08/02