内容説明
文学作品は、時代から独立して存在しているわけではない。その作品が書かれ、受け入れられ、生き残ってきたことには理由がある。与謝野晶子、夏目漱石、森鴎外などの古典から、谷崎潤一郎、三島由紀夫などの昭和の文豪、現代の村上春樹、宮部みゆきまで、1年1冊、合計100冊の「20世紀の名著」を厳選。希代の本読み、関川夏央による最強のブックガイド。
目次
みだれ髪―与謝野晶子
クオーレ―E・デ・アミーチス・和田忠彦訳
トニオ・クレーゲル・ヴェニスに死す―トーマス・マン・高橋義孝訳
桜の園・三人姉妹―チェーホフ・神西清訳
吾輩は猫である―夏目漱石
車輪の下―ヘルマン・ヘッセ・高橋健二訳
婦系図―泉鏡花
あめりか物語―永井荷風
ヰタ・セクスアリス―森鴎外
刺青・秘密―谷崎潤一郎〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
102
関川さんが20世紀に出版された新潮文庫から、ご自分の好みで選ばれた100冊についての洗う字、開設、その出版された年についての事件などが簡単に2ページ見開きに書かれています。いろいろ100冊などが選ばれていますがこの関川さんの100冊の新潮文庫に挑戦してみたくなりました。1901年のみだれ髪から2000年の朗読者までかなり読んでいますが来年から再読してみますかね。2015/12/05
一角獣
19
この本を通じて初めて知った本が、意外とありました。この本に掲載されている100冊はもちろん、その作者の他の作品も読んでみたいと思います。2021/03/24
ybhkr
5
20世紀の一年に一冊。わたしが知らないものは二割くらいで、すでに読んだものや内容は知っているけど読んでないものがほとんど。100年の中の100冊。作家の裏話や恋愛事情などは知らないものも多くワイドショー気分で楽しめた。選ばれたものの中で新潮文庫で読んだ本は、とかげ、きらきらひかる、高村光太郎詩集、河童・或阿呆の一生、檸檬、精神分析入門、くらいかな。意外と少なかった。しかし、読んでない本をちゃんと読もう、みたいな気持ちにはならなかったなあ。なんとなく内容を知っちゃってるからかも。2015/05/05
s_n
4
空き時間にポツポツ再読。新潮社がセレクトした文庫に関川氏が短文を寄せたブックキャンペーンの文章を集めてガイドブック化したものだ。まぁ、有吉佐和子とかベルンハルト・シュリンクなんか読んでみようかなぁとか思った。歴史小説、ノンフィクション、現代文学、歌集などなど、このワイドな射程を的確にレビューできるのは関川夏央が最適だっただろう。2013/11/30
壱萬参仟縁
4
評者もこのままいけば、永井荷風の『あめりか物語』のように、独身貴族のまま終わるのか、という不安が過る。また、武者小路実篤のように不況だからこそ、文藝が輝く、との指摘は納得できる。三木清『人生論ノート』、佐江衆一『黄落』も興味深いと思ったので、後者は借りてみたい。2012/05/22