内容説明
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ウタは声のことばにおいてあらわれる。声のことばと文字ことばの中間で誕生する、和歌という詩形式に迫るため詩学を導入。和歌の本性をナショナリズムの狭い殻から救い出し、異なった言語圏の詩歌と比較しつつ、外部からの照射によって本質を炙り出す。音声学・音韻論・音楽学・心理学・比較言語学といったさまざまな分野の研究をひとつのテーブルに載せ、和歌誕生の経緯と全貌を究明した野心作。
目次
和歌とは何か-用語と方法
発生論-始源としての身体
成立論-母語の原理から
普遍的なもの-童謡の時代
楽府との比較-中国の宮廷歌謡
郷歌との比較-新羅の詩歌文学
サンガムとの比較-タミル語起源説から
記紀歌謡にもどって-日本の宮廷歌謡
音数律以前-歌謡のリズム
ヨムこと-声と文字の間
定型の原理-詩学史から見る
定型の母胎-記紀歌謡の形式
声の定型-字余り/非字余り
音数律の誕生-意識される等拍律
再び、和歌とは何か-ペー族の歌会を見て
福士幸次郎の詩と詩学-先覚者の精神